裏裏だ!
リーチ一発ツモ赤裏裏の3100-6100!

渋川の頬は少し緩み、

中田の表情は少し曇った。

この後も一進一退の攻防は続き、

このように緊迫した点数状況で、オーラスを迎える。
先制したのは、

親のたろうだ。
そこへ、

渋川がタンヤオで追いついた!
待ちはカンチャンだが、アガればトップ!
しかし、
「カン」

たろうに、の暗カンが入った。

困り顔の渋。
カンで打点の上がった親に、放銃などしたくない。
だが、アガリを決めれば優勝。
トップをサクラナイツに持って帰りたい。
──こういうとき、選手はチームメイトの顔が思い浮かぶのだろうか。
優しく微笑む内川の、目を潤ませる岡田の、ふてぶてしくニヤける堀の、みんなの待つ楽屋へ笑顔で帰りたい、そう渋川は思っていたのだろうか。
そんな中、数巡後に渋川がツモってきたのは、

4枚目のであった。

「カン」
たろうに通っていないのだから、カンだ。
リンシャンに鎮座していたのは、

だった。

どこからどう見ても、無筋だ。

思案の末、渋川は、

中筋のを切って手を崩す、安全策をとった。

勝負は次局におあずけだ。
南4局1本場、渋川は4巡目に、

をキープして
を打ち、

をポン。
機敏な動きを見せ、タンヤオのイーシャンテンに構えた。
だが、これがなかなかテンパイしない。
一方で、ライバルの中田は、

中盤に、この形となっていた。
中田は、

打として、マンズの連続形を残す選択をとった。
タンヤオとドラで条件は満たしているため、あたりを切ってイーシャンテンにとる手順もある(筆者はそうしそうだ)が、渋川に比較的打ちやすいピンズを合わせていった格好だろう。
そして、