優しい敵討ち〜「トップ取りの渋」が針の穴を通した瞬間〜【Mリーグ2024-25観戦記 12/12 第2試合】担当記者 ゆうせー 萩原聖人 vs 渋川難波 vs 中田花奈 vs 鈴木たろう

裏裏だ!

リーチ一発ツモ赤裏裏の3100-6100!

渋川の頬は少し緩み、

中田の表情は少し曇った。

この後も一進一退の攻防は続き、

このように緊迫した点数状況で、オーラスを迎える。

先制したのは、

親のたろうだ。

そこへ、

渋川がタンヤオで追いついた!

待ちはカンチャンだが、アガればトップ!

しかし、

「カン」

たろうに、【1ソウ】の暗カンが入った。

困り顔の渋。

カンで打点の上がった親に、放銃などしたくない。

だが、アガリを決めれば優勝。

トップをサクラナイツに持って帰りたい。

──こういうとき、選手はチームメイトの顔が思い浮かぶのだろうか。

優しく微笑む内川の、目を潤ませる岡田の、ふてぶてしくニヤける堀の、みんなの待つ楽屋へ笑顔で帰りたい、そう渋川は思っていたのだろうか。

そんな中、数巡後に渋川がツモってきたのは、

4枚目の【4マン】であった。

「カン」

たろうに通っていないのだから、カンだ。

リンシャンに鎮座していたのは、

【2ソウ】だった。

どこからどう見ても、無筋だ。

思案の末、渋川は、

中筋の【5ピン】を切って手を崩す、安全策をとった。

勝負は次局におあずけだ。

南4局1本場、渋川は4巡目に、

【7ピン】をキープして【1ピン】を打ち、

【2ピン】をポン。

機敏な動きを見せ、タンヤオのイーシャンテンに構えた。

だが、これがなかなかテンパイしない。

一方で、ライバルの中田は、

中盤に、この形となっていた。

中田は、

【8ピン】として、マンズの連続形を残す選択をとった。

タンヤオとドラで条件は満たしているため、【7マン】あたりを切ってイーシャンテンにとる手順もある(筆者はそうしそうだ)が、渋川に比較的打ちやすいピンズを合わせていった格好だろう。

そして、

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/