単純なからの
–
待ちなら、
を切るのにあんなに悩まないだろう、という間合い読みだ。
他にも、からの打
は、
が渋川に現物なのでシャンポンにとるはずで、可能性が低いとも語っていた。
先の画像にある中田の手牌は、同じ牌が固まりすぎていて、形自体はパッと見で完全に把握するのは難しい。試合の緊迫感もあるため、時間がかかってしまったのもある程度仕方のない面はあるだろう。
牌の組み合わせと待ちを実戦中に理解するための前向きな案として、先ほど図解したように重なっている部分などを避けて並べることで、











など、分かりやすい形に置き換えて時短対策をするのがいいかと私は思う。
何度も牌をカチャカチャ動かしていると、それ自体が傷になるのがネックだが、一、二度場所を変えるくらいなら、他のブロックに関してもやるものである。形がつかみやすくなることで、シンプルにミスが減るのもメリットだろう。また、完全な理牌を壊すことになるが、この程度なら許容範囲だろう。
もちろん制限時間はないのだが、対人戦略も大事なゲームゆえ、隙を減らすのは重要だ。
ただ、皮肉なことに、

ここから、を切っても
になるので、少し前に場に出ていて、渋川に対して「より安全な」
を「スッと」切っていた場合は、逆に、
「最終手出しのソバである–
が危ない」
と読まれて、

結局、渋川は切りの選択をしていたことだろう。
むしろここは、中田がを打ったこの世界線で、読みを駆使して
を切った渋川を褒めるべきだ。
両者のめくり合いが続く中で、

萩原が大外から飛んできた!
粘って満貫のテンパイを入れ、

単騎をツモアガリ!
ダブドラ赤、2100-4100を決めて、

萩原が2着。

中田は3着。
そして、

渋川が1着となった。

このトップで、サクラナイツチームの連続逆連対は7でストップ。

インタビューに現れた渋川は、

岡田のカレンダーを持っていた。

「新しいユニフォームです。」
と語る渋川。
なんとも優しい男ではないか。
そんな渋川は、不調の岡田について聞かれ、こう話した。

「毎回、やることはやり切っているんですけど負けてて、『申し訳ねぇ』って言ってるんで、いやいや、岡田さんが400(マイナスを)叩こうが、500叩こうが、プラスにしますよって気持ちで僕ら全員いるんで、安心して伸び伸び打って、帰ってきてほしいですね。」
連敗ストッパーの渋は、イケメンの渋でもあった。
渋川の温かさが、サクラナイツに一足早い春を呼び込むことだろう。
そう、

厳しい冬の先には、桜舞う春が必ずやってくるのだ。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite