竹内元太とは──分析報告書──【Mリーグ2024-25観戦記 12/13 第1試合】担当記者 小林正和

先程、松本の【8ピン】が一発で放銃となった南1局

元太はこの牌姿から【8ピン】のトイツを固定する打【9ピン】としている。

元太
「クイタンがメインとなった場合、【6ソウ】を残しながら進行できる価値が大きいので打【9ピン】となりましたね。この後の情報次第ではメンゼン主体でどこかのトイツに手を掛けるプランも考えてましたよ。」

つまり、こう言う事だろう。
例えば打【9ピン】の後、【8ピン】【2ピン】が鳴けた場合は以下の形

この後にダイレクトに【6マン】引いても良いし、【5ソウ】【7ソウ】を引いても打【8マン】と十分形が残る。

更に、仮に【6マン】が薄くなった等の情報が出た場合は打【7マン】とし

と1枚安全牌を持ちながら攻守兼用に構えられるのもメリットと言えよう。

最近では、こうした余剰牌の事を“スペース”と呼ぶ事がある。元太はこのスペースを状況に応じて使い分けている印象だ。

その特徴が随所に現れたのが東2局である。

ここから打【5マン】とした!

その時の全体図がこちら。

元太
「総合的に比較すると、自身のスピードが間に合っていないので、ここから形式テンパイを目指せるように【5マン】を逃して置きましたね。」

こうする事で【北】【白】という2枚のスペースを確保できるという考えである。

実際この時、【發】のトイツ落としが完了した滝沢の手牌には

既にタンヤオ・赤の仮テンが入っており

親番の仲林には超ド級の完全イーシャンテンが組み込まれていた。この辺りの相対的な読みの精度は流石の一言である。

更に驚かせたのが、【4マン】を引き入れて生牌【北】のスペースを1枚消費すると、その後【5ピン】ツモの所で

元太は【白】の余白スペースを惜しむ事なく手放していった。

注目したいのは、ピンズの4連形がフリテン含みながらも残した点である。

元太
「そろそろ先制リーチが来る頃合いなので、ベタオリにならないようピンズを伸ばす形に舵をとった方が良いかなと。」

要するに、スペースを二つ消化しながらも今度は2枚の【西】を代替スペースとみなし押し返しの準備をしていたのであった。

そして次巡、元太の未来予想図は

現実のものとなり

我々は何を見せられているのか…元太の思惑通りに【4ピン】【3ピン】と引き寄せてタンヤオテンパイで追いつくとヤミテンを選択。

現状ラス目も考えて、ここでリーチと行く人もいるかもしれない。しかし、元太はこうした一か八かに身を委ねる事はしないのだ。

なぜなら…

次巡、【5マン】を引き戻してピンフの役を上乗せすると

次々巡、一発ツモと裏ドラが乗る事を知っていたのだから。

正に元太の強さが凝縮された一局であった。

レギュラーシーズンの折り返しとなる頃合い。
元太は個人5勝目を獲得すると、チームメイトの醍醐の記録を抜いて暫定ながら全体成績で1位の頂きへと上りつめた。

それと同時に、もしかしたら早くも“元太・包囲網”を敷く黄色信号が灯ってしまったのかもしれない。

卓上から降りると少年のような笑みを溢す192㎝の新Mリーガー、その強さの秘密を今後も追って行ければ幸いである。

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