ただし、1打目のを見る限り①のパターンが濃厚に映る。元太の圧を受けてからは現物or1枚切れの字牌を切り続けている様子から判断するとオリていると認識して良いだろう。
一方、仲林の方も→
の切り順で且つホンイツや国士無双と言った捨て牌ではないので同じ事が言える。
そして、一番重要なのが二人ともリーチの現物であるを手の内から見せていないと言う点。
滝沢に対しては字牌や片筋であるは
より安全度が高い。それにも関わらず切らなかったのは、つまり自明の理“持っていない”からに他ならない。

試合後のインタビュー席で、そのような経緯を語った滝沢は、読み通り引き算打法4-1=3枚のを引き込むと

ここまで10戦4着なしの元太を一瞬ながらラスに押し付ける反撃に転じた。
解説・石橋の予想通り、それぞれが理にかなった選択をし続けていく一戦。それは彼にとっても例外ではなかった。
南1局での出来事。

まさかの12戦トップなしと、かつてない程の逆境に立たされている松本。
そこそこアガれそうな配牌とツモにより真っ直ぐ進めるも、まるで手を組まされたかのように手詰まりの状態で親の元太から6巡目・先制リーチを受けてしまう。それも一発目の切り番だ。
さてどうする!?
リーチが入っていなくても難しい何切る問題。
真っ直ぐや
を切る選択も候補に入ってくるし、
や
の雀頭の一つをほぐす道もあるだろう。

冷静に場を見渡す松本。そして彼は放銃を避ける為に“コンボ理論”を採用し
丸が8つ並ぶに手を掛けた。
【コンボ理論】
牌の組み合わせ(コンビネーション)により、放銃率を比較する理論
最近のSNSでも話題のこの言葉。
これは36種類136枚の麻雀牌それぞれに番号を振り、起こりうるターツの組み合わせの数を比較。そして一番コンボ数(組み合わせの数)が少ない待ちを想定し、可能な限り放銃を避けるという考え方だ。
今回の場合、例えばが放銃になるパターンは
① リャンメン待ち
② カン待ち
③ シャンポン待ち
④ 単騎
の4パターンである。
更に
① のリャンメンで放銃するターツ数は、見えていないが4枚と
が2枚なので4✖️2=8コンボ数
② のカンチャン待ちの場合、見えてないか2枚と
が2枚なので2✖️2=4コンボ数
こんな風にして組み合わせコンボ数を計算していくと
・→15コンボ数
・→24コンボ数
・→31コンボ数
・→43コンボ数
となり、一番が放銃する確率が低い事が分かる。しかし

今シーズンの不遇な成績を物語るかのように、竹内のシャンポン待ちへ吸い込まれるのであった。
自然の摂理を超えて、確率を凌駕したこの現象を人は
“ツキや流れ”と呼ぶのだろう。
もちろん、今日の試合も松本には逆風が吹き荒れていた。

純カラ相手に対して、自身は山に3枚眠るアガリ牌も王牌に眠らされて引き分けに持ち込まれたり

リャンメンリーチをかけるも、一度もツモる事を許されずにペンチャンに負ける。それは麻雀が見せる不条理の美学に他ならない。
たがしかし、今夜は何か違和感を感じられずにはいられなかった。
何度も対局を見返していく。
すると、自ずとその輪郭が徐々に見えてきたのである。
その正体とは…

“無敵のタイタン”こと
竹内元太と言う漢であった。