小林剛、全開!
チンイツドラ押し、
それゆけわれらのバトルロボ
文・東川亮【月曜・木曜担当ライター】2022年1月13日
1/13、大和証券Mリーグ、第1試合。
U-NEXT Piratesは女海賊・瑞原明奈のトップ獲得で、首位までわずか0.7ポイントまで肉薄した。レギュラーシーズン首位となれば、2019年11月5日以来、なんと800日ぶりとなる。そんな重要な一戦は、我らが大船長・小林剛に託された。
さあ、海賊船は先頭に躍り出ることができるのか!?
「次回 麻雀ロボ・コバゴー、出撃」
第2回戦
東家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
南家:東城りお(セガサミーフェニックス)
西家:小林剛(U-NEXT Pirates)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
東2局1本場。
コバゴーは、5巡目にしてこの美しい1シャンテンを手に入れていた。リャンメンリャンメンにの縦引きもOK、いわゆる「完全1シャンテン」と呼ばれる形である。リーチピンフドラ、タンヤオにイーペーコー、遠くには三色もあり、夢は広がるばかりだ。
だが、コバゴーはを鳴くのである。タンヤオドラ、2000点のリャンメン待ちテンパイ。
この局は、下家の多井が既にをカンチャンで仕掛け、ドラそばのも切っていた。相手のアガリが早そうということで、打点よりもアガリを重く見たのだろう。高打点よりも、相手のアガリを自身の速攻で潰す。これがコバゴーの基本姿勢だ。とは言え、並の打ち手であれば打点を見たくなるもの。1段目でこの仕掛けはなかなかできるものではない。
すぐに東城から出アガリして、2000は2300。今日もコバゴーは平常運転のようだ。
迎えた親番の東3局、コバゴーは1巡目にしてポンから発進した。だが、ご覧の通り手の内は決していいとは言えず、打点も見えない。を重ねるか、手役ならチャンタやジュンチャン、三色同刻などが見えるが、いずれにしてもまだまだ遠い。
コバゴーは「鳴かなければ門前で行ってオリるだけになりそう、それなら鳴いた方がまだマシかな、ぐらい」と語る。ただ、これももう少し様子は見たいところ。これを躊躇なく動けるのがコバゴーなのである。
そこから河にと並べるコバゴー。以外は手出しである。
多井が「何やってんだ?」とばかりにツモりながら河を凝視。
チャンタ系の手であれば字牌はそう簡単に切れないし、現状はまだ打点も形も不十分。とすると、字牌はまだ切れない。
コバゴー、そうこうしているうちに1シャンテン。を先に切ってを引っ張ったのは、場に見えていないを引っ張ることで相手に切らせず、手を止めたまま自分はテンパイにたどり着こう、という狙いだろう。
引きでテンパイが広がり、ここで切り。これを東城が鳴いて応戦、テンパイを入れる。
その後、東城からが出てテンパイ。を切ればジュンチャン三色のテンパイとなるが・・・
コバゴー、場に4枚目となる切り。のシャンポン待ちに受ける。コバゴーいわく、「鳴いて切りはペン待ちがかなり読まれそう、それならは読まれてももう一つの待ちを絞らせない方がいい」としたとのこと。仕掛けた以上、考えるべきは打点よりもアガリやすさなのである。
これに困ってしまったのが、ブルーヘアー東城。
待ちからをつかみ、いったんは切りでこらえたものの、さらにを引いてしまった。からの切りでのトイツ以上は読めていたとしても、それが雀頭なのか待ちなのかまでは断定できない。そして自身で3枚抱えたは、ピンズの下が場に全く切られておらず、いかにもペンチャン待ちとしてありそうなところである。
故に。
そしてコバゴーが2900の出アガリ。打点よりもアガリに照準を合わせた手組みが光る。
南1局1本場、ここまでの間に多井が大きく加点し、トップ目に立っている。
2番手のコバゴーは、カンチーから発進。
さらにポン。を切ればタンヤオのテンパイであるが、チンイツが見えるだけに切りたくはない。だが、そこはコバゴー、まずはテンパイを・・・
とらない! ここは切りでテンパイ外し、チンイツへ向かった!
コバゴー、高打点モードだ!
まあ、冷静に考えれば、出アガリ1000点の愚形テンパイである。対してチンイツに向かえば8000、かなりついてきそうなタンヤオも絡めれば12000の1シャンテン。手の価値が8倍、12倍ともなれば、さすがのコバゴーだって戦闘体勢である。とは言え、それでもテンパイをとるのではないかと思わせてくれるのが、麻雀ロボ・コバゴーなのだ。