“ミス・パーフェクト”東城りおが目指した完璧【Mリーグ2023-24観戦記 2/29】担当記者 #後藤哲冶

“ミス・パーフェクト”
東城りお
目指した完璧

文・後藤哲冶【金曜担当ライター】2024年2月29日

今年も、Mリーグファンの感情が揺さぶられる季節がやってきた。

レギュラーシーズン突破をかけた争い。
今年からチーム数が増えた影響で、レギュラーシーズンで姿を消すことになるチームが、2チームから3チームに増えた。
毎年、この次に進むことができるかできないかの戦いで、様々なドラマが生まれている。

残る試合は16試合。
上記の画像を見てもらえばわかる通り、進出ボーダー争いは下位4チームに焦点が当たっている。
もちろん、現状5位の渋谷ABEMASとて安全圏ではないが、現状はこの4チームが6位の1枠を争う構図になっていると言って差し支えないだろう。

そうして今日、その4チームの内3チームがぶつかり合うことになった。
まさにレギュラーシーズンの天王山。直接対決ということもあり、この1日が今後の展開を大きく左右する結果になることもあり得る。

そんな天王山第1試合、セガサミーフェニックスの茅森が値千金のトップを獲得。
現状総合1位のドリブンズを2位に置いて、現状争っている雷電とBEASTを3着4着に沈めた功績は大きい。

このまま2連勝で抜け出しを図りたいフェニックスは、ここで東城を起用。
見事期待に応えて、この天王山を制することができるか。

2月29日 第2試合

東家 黒沢咲 (TEAM 雷電
南家 園田賢 (赤坂ドリブンズ
西家 猿川真寿(Beast Japanext)
北家 東城りおセガサミーフェニックス

 

東1局

東城は赤もドラも無いこの形から、【4ピン】切りを選択。
リーチのみの愚形は打ちたくないので、こうしておくことで、【4ピン】から横に伸びた時にピンフのテンパイを作りやすいことに加え、ペン【7マン】を引いた時にすぐにピンフリーチに行けるのが大きい。

形は変わって【4ピン】【2ピン】がくっついたが……この時、既に西家の猿川からリーチが飛んできていた。

安全牌はない。比較的通りそうな中筋の【5ソウ】【6ソウ】あたりを切ってやめるか、マンズのトイツどちらかを切るかといった選択。
【1マン】【9マン】はどちらもワンチャンス。ただ、【8マン】が気持ち早いために、マンズから選ぶなら【9マン】になるかと思われたが。

ここで東城が選んだのは、【1マン】だった。
少し、立体図で見てみよう。

確かに猿川から【8マン】は早いが、猿川が【2マン】【3マン】【5マン】全て手出しなのが情報として活きてくる。
【1マン】は東城の目から3枚見えており、シャンポンで当たることはない。
【2マン】【3マン】が手出しということは、【2マン】【2マン】【3マン】【3マン】と持っていて、そこから【2マン】【3マン】を外してかつ、【2マン】【3マン】【3マン】としてシャンポン受けを残さずに先に【1マン】【4マン】を決めて、【2マン】【3マン】【5マン】と持って、ドラを使える【1マン】引きに備え最後まで引っ張ったケースのみ。
(三面張で当たるケースは、【8マン】切りが少し早すぎる上に【5マン】を使い切るルートを残しそうなので)
つまり、【1マン】は普段のワンチャンスより少し通しやすいと読んだ。

その後【赤5ピン】を引いて形と打点がパワーアップしたところに、【2ピン】を引いてきてもう一度選択が生まれる。
残る巡目は少なくなったが、【赤5ピン】で自身の手牌価値も高まった。

ということで、東城は【9マン】のトイツに手をかける。
これは後にインタビューで東城自身が語ったことだが、もし仮に【9マン】で打ってしまった場合でも、ドラの【5マン】切りリーチであることから、【5マン】【7マン】【8マン】からのリーチであれば、タンヤオもつかない【9マン】で打っても、打点が高くない事が多い。
【5マン】暗刻から切ってのリーチも想定しにくいため、【5マン】が絡むケースで高いのは【5マン】【5マン】【6マン】【7マン】【7マン】【8マン】からの【5マン】を切っての【6マン】【9マン】待ちだった場合。

それが、今回該当してしまった。
リーチピンフ赤ドラの8000点の放銃。

東パツということもあって果敢に攻め込んでいったが、これが失点につながってしまった。
この第2試合、東城にとっては、幸先の悪いスタートとなる。

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