『私は最強』　麻雀最強戦2024【ファイナル1st Stage】観戦記【C卓】文 越野智紀　園田賢 vs 松嶋桃 vs 川上直也 vs 堀慎吾

その後にを引いてリーチタンヤオドラが見えるとを勝負。

このを鳴いて園田にテンパイが入りますが、

絶好のが入った川上もテンパイ。

事前にＸの麻雀最強戦公式アカウントで行われた勝ち上がり予想では

大きく差をつけられていた川上。

これはあくまで投票者が本命を予想したり応援している人を選択しているだけで勝率とは関係ないものだと頭の中ではわかっていても、500人近くが参加した全日本プロ選手権を勝ち上がってきた川上の横に「２％」と出ていることに僕は釈然としないものを感じていました。

例えば勝ち上がり予想の選択肢を

①堀・松嶋
②堀・園田
③堀・川上
④松嶋・園田
⑤松嶋・川上
⑥園田・川上

この６つにして、的中者で報酬を山分けにするといったシステムにしたら勝率に近い数字が出るような気もしますが、地味な数字になるので盛り上がらないんでしょうね。

全然関係性の薄い僕ですら変なストレスを感じていたので、川上を応援している人たちの心情は察するに余りあります。

そんな川上を応援する人たちが心に溜めた熱いものを

一気に発散させる大きなアガリが川上から飛び出しました。
リーチツモタンヤオドラに一発と裏ドラもついてハネマンのアガリ。

この一瞬の好機を掴んだ茶師・川上とは対称的に

局が進むにつれて苦しくなっていく炭酸飲料っぽい雰囲気の園田。

南場の親番では堀に満貫をツモられ、点棒と軽く捌く選択肢も失い完全に翼がもがれた状態となりました。

しかし園田賢は諦めが悪い男です。
諦めなければ試合が終わらないといわれたら、どこまでも諦めません。

満貫級の手を作ろうとテンパイ取らずをすると

飛んできた２軒リーチ。
リーチ棒２本でて嬉しい悲鳴だと前向きに考えたいところでしたが

一発で掴むに嬉しくないほうの悲鳴が出ます。
自分の目からが３枚ずつ見えが合わせて１枚しか見えていません。
は２枚見えでは４枚見え。
全方向に危ないがやってきました。
ここで子方に一発で放銃して点数を失いながら局を進めてしまえば、残りの２局で３万点近い差になります。
ただ横移動を待っていても残り２局で２万点弱の差です。

も期待薄で良い未来はあまり見えませんが、を止めて切りを選択。

この目を覆いたくなるような絶望的な状況の中で、園田はある異変に気づきます。
親番の松嶋が通っていないをツモ切ったのです。
こういう時はノーチャンスなど自分だけが見える情報からが安全牌になっていたケースを疑うのですが、堀の手にはの何かありそうなので松嶋の目からノーチャンスになることは無いように見えます。
そもそもは現物なので、それを切らずにノーテンからを切るなんてことがあるでしょうか？
ただ手詰まって切ったかもしれませんが、松嶋桃もテンパイしていると考えて良さそうな状況が生まれました。
自分の薄いアガリにかけるより親の松嶋に誰かが放銃してくれることを期待したほうが逆転の可能性は高いと踏んだ園田。

新たな生存ルートを発見すると迷わずドラのを切り、親の松嶋が降りてしまわぬように自分はベタ降りしながらも情報を提供する作戦にでます。

が、園田の祈りも虚しくドラ跨ぎのを掴んでしまい松嶋は降りて流局。

残り２局で18,400点差。
供託２本残ったこの局が勝負所になった園田にタンヤオのみのテンパイが入ります。
2,600点は直撃してもオーラス10,600点差で満貫ツモでも逆転できません。