【徹底検証】白鳥翔は小林剛の仕掛けに9筒を止めるべきだったのか?【Mリーグ2024-25観戦記 1/16 第2試合】担当記者 ゆうせー

要は、ここまでに白鳥が押してきた場面よりも、【9ピン】を打つかどうかのこの段階では「小林がテンパイしている可能性がますます高くなっている」のである。

しかも、

ピンズの上(数字の大きい方)に意識を向けると、下家の内川も対面の大介も、比較的早めに【7ピン】【8ピン】を打ち出しているのが分かる。

自分の手にも【9ピン】周りの数牌がないので、相対的に小林がピンズの上を持っている可能性が上がる。リャンメンはもちろん、シャンポンなども別途、怖いところだ。

加えて、シャンポンで当たった場合もそうだが、ドラの【北】をトイツで持っているパターンが全く消えていないのも、押す上では懸念材料となる。

ここまで、丁寧に詰めていくと、

【9ピン】を打つ前に、白鳥が苦悩していた理由も分かるというものだ。

「刻一刻と進む時の中で、これらの思考を巡らせながら打っている」そのこと自体が凄いな、という感情も自然に浮かんでくる。

では、【9ピン】は止めるべきなのだろうか?

問題は、

この【9ピン】が「あまりにも使いにくい」牌だということだ。

くっつけて使える、真ん中あたりの数牌ならば、止めて迂回ルートをとっても、使い切っての復活が期待出来る。

ただ、【7ピン】を捨てている状態で、【9ピン】を使おうというのは非常に厳しい。

また、先に述べたとおり、小林は「ブクブクのイーシャンテンかテンパイ」なので、テンパイしていない可能性も存在する。

【4マン】【5マン】【8ピン】【9ピン】【9ピン】【2ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【7ソウ】【7ソウ】

など、考えられる自然なイーシャンテンの形も出てくるだろう。

よって、ここは【9ピン】を押した方がいいように感じる。

筆者としては、

切る:切らない=7:3

くらいの感覚なので、「切るのは仕方がない」という表現が正しいのかもしれない。

みなさんはどう思われるだろうか。

そして、【9ピン】の選択より前の分岐で、何か出来ることはなかったか、と考えるのも面白い。

①の場面で、

小林の第一打【1マン】を鳴いて、123三色や純チャンに向かう手はなかっただろうか?

そして、③のときに、

(【1ソウ】をツモる前に)小林から出た【3ソウ】を鳴いて、234三色のテンパイにとる選択肢もあったのではないか?

順に見ていくと、

①は、チーして【7ピン】【4ソウ】【6ソウ】あたりを切る選択肢も、もちろんありだ。

だが、この時点では、河の情報が全くない。

そのため、鳴いたあとで、主に河から「あっ、この人ヤバそうだ」という情報が出てきたときに、自分の手が短くなっているのは危険だ。トップ目なので、その展開は避けたい。特に、ラス目の親である小林はフルスロットルで来るだろう。全員の「間合い」をつかみながら進めたいところではある。

他にも、123三色のキー牌が、【1マン】以外にあと2つもあることはかなりの懸念材料であるため、ここはスルーするのが無難であると考える。

鳴いても愚形だらけのリャンシャンテンなので、テンパイにはまだ遠いというのも大きい。

言い方が難しいが、不特定多数で打つときは鳴くのをオススメしたい。

読みの精度が高いMリーグだと、来る人は攻めてきて、来ない人はこちらの必要牌を止める、といった「楽をさせてもらえない展開」になることも多いからだ。

逆に、ネット麻雀の段位戦や、フリー麻雀で打つときは、そこまでマークがキツくならないことが多いだろう。123三色に純チャンを絡めて、仕掛けも駆使しながら3900のアガリを狙うのがいいように感じる。

一方で、③を見ると、

こちらはチーする方がいいように思う。

①と違って、テンパイなのが大きい。

しかも、明らかに速度感のある河をしている、親番小林の現物待ちになっている。これも心強い。

2つ以上鳴いたら警戒されそうなものだが、1副露の間なら【4ピン】が打ち出されても不思議はない。

片アガリになる不安はあるが、オーラスをトップ目で迎えられる価値も大きく、ここは積極策を取った方がよかったのではないだろうか。

【9ピン】を掴んだ瞬間より、この場面での鳴き判断がターニングポイントだったように感じる。

と、ここまで読んで「細かい話だな…」と思った方も多いだろう。

それくらい掘らないと「もしかしたらミスかも」という場面が出てこないくらい、今の白鳥は充実している。

読みも鋭く、攻守のバランスもとれているように思う。実際に、個人では20試合で+243.9の好成績だ。

だが、チームとしては、

渋谷ABEMASが始まって以来の、非常に苦しい状態だ。

そして、この試合でも、

一つ上にいるサクラナイツに先着を許し、差を広げられる結果となってしまった。

だが、うつむいてはいられない。ここから先、

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