苦しむビースト それでも #猿川真寿 が最後まで腕を振る理由【Mリーグ2024-25観戦記 2/10 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

猿川の元へやってきたのは、無情にも【6ソウ】だった。

瑞原のアガリ。
12000の直撃で、これで瑞原もトップ争いに参加。

遠い。東場終了時点ではあれだけ色濃く見えていたトップが、こんなにも遠い。

第1試合はオーラスへ。

南4局

猿川のトップ条件は2000点の出アガリ。
そう難しい条件ではないが、手牌が少し重たい。

先制テンパイを入れた瑞原だが、これでは条件を満たさない。
ドラを使う構想で【2ピン】を残し、【9マン】【8マン】のターツを払う。

次巡、瑞原はドラの【4ピン】を引いて迷いなくリーチへ。
ツモればトップだ。

リーチ棒が出たことで1000点で良くなった猿川が、【東】のトイツ落としで粘る。
鳴いてのタンヤオでも良いから、とにかくアガリが欲しいが――

そんなことを願う暇すらなく。
あっという間に瑞原が【3ピン】をツモアガって、トップを獲得したのだった。

大盛況のプレミアムナイトで、見事トップを獲得したのは、瑞原だった。

南2局までは1万点の4着目であったのに、そこからの猛攻は凄まじかった。
瑞原の力強さはいつでもパイレーツを支えている。

そして惜しくも、2着となった猿川。

インタビューでは、【9ピン】放銃について悔いていた。
正直、【9ピン】は止まらなさそうに見えるが、その前の【6ピン】を止める選択はあったかもしれない。
相手はピンズが余っていて、ダブル無スジの【6ピン】だったが、どうだろうか。

この日、猿川の打牌でとても印象的だったのが、東3局だった。

ピンズのホンイツ気配がある親の瑞原に対して、躊躇なくドラの【3ピン】切り。
この局は自身がアガる、と決めた時の、猿川のギアの入れ方は目を見張るものがある。
結局、この東3局を500、1000のアガリに纏めた猿川。
これからもこういった鋭い攻めを見たいと思うファンは、多いはずだ。

途中にも記した通り、ビーストの条件はかなり厳しい。
本人達も話すように、これからはとにかく、ファンの人に楽しんでもらえるような、良い麻雀を打つことが求められるのかもしれない。
どれだけその道が険しいとしても、懸命に打つその姿を、最後まで注目していきたい。

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