一応読みの要素も語っていたが、要素として大きかったのは確率、そして期待値への心中だ。
これを押せる仲林のハートの強さである。
冷静、しかし鋭い仲林の目。
そして、なんとしてでもツモりにいく覚悟のこもった内川の目。
そうしてツモ山に手を伸ばすとそこにいたのは…
非情がすぎる。
仲林のファインプレーが、内川の親を破った。
無念、あまりに無念。
内川はここから、本当は遂行したくなかった3着狙いを余儀なくされたのであった。
さらに、ファインプレーをしても、それを超えてくるプレイヤーがいるのもまた麻雀である。
南4局
仲林が2巡目にしてイーシャンテンを入れるのだが、
園田が
をチーして片アガリの三色に向かっていく。
浮いていた役牌の
が重なって、この手が
バックのテンパイになった。
すぐにアガリ。
かなり仕掛けにくいところからのアガリ。この局もファインプレーだろう。
仲林はこの局も振り返る。
話を2巡目の仲林の手牌に戻すが、この形から
内川が5巡目に打った
を、ポンしなかったのだ。
トップを取るためには、この手を決定打にしたい。
2900点のアガリでは物足りないと考えたが、仲林はこの判断を非常に悔しがっていたのであった。
対照的に、園田はこの笑顔。
チーム2月の初トップに、嬉しさもひとしおだろう。
7分間、自らのファインプレー、そしてやけどしてしまった左手のことまで、今まで話せなかったことを全部放出するつもりで語り切った。
さあ、残りは16半荘、6分の1。
今日のように、上位陣がのびのびと攻めるのか。
それともボーダーラインを争っているチームが、必死に食らいつくのか。
最終日まで、分からなくなりそうだ。

最高位戦日本プロ麻雀協会第45期前期。ネット麻雀「天鳳」では「メタビート」のアカウント名で十段に到達。麻雀店勤務の傍らで戦術noteを執筆するなど、日々麻雀研究にいそしんでいる。第49期最高位戦新人王。













