Mリーグ観戦記者が「黒沢咲のセレブ打法」という謎ゲームを実況解説してみた!【熱論!Mリーグ】担当記者:梶谷悠介

熱論!Mリーグ【Tue】

Mリーグ観戦記者が

「黒沢咲のセレブ打法」

という謎ゲームを

実況解説してみた!

文・梶谷悠介【月曜担当ライター】2018年11月20日

ツケマイ(以下、ツ)「本日の観戦記は実況私ツケマイ、解説は梶谷さんでお送りします。よろしくおねがいします。」

梶谷(以下、梶)「よろしくおねがいします。」

「本日の対戦カードはこのようになりましたが、どのあたりに注目しますか?」

「そうですね、ABEMASはパイレーツ小林が出場するということで急遽ロボキラー松本を登板することになりました。首位奪還に向けて巻き返しを狙ってきていますね。また上位陣と対戦する雷電ですが、比較的仕掛けの多い松本や小林に黒沢のセレブ打法がどこまで通用するかがポイントになります。」

「ありがとうございます。それでは試合を見ていきましょう。」

 

起家 小林剛(Pirates)

南家 松本吉弘(ABEMAS)

西家 黒沢咲(雷電)

北家 勝又健志(風林火山)

 

東3局2本場

「2局連続で流局となった東3局、親の黒沢ですが、第一打をとしましたよ」

を残していきなりの辺張外しですね。567の三色が見える配牌では絶対に使いたいです。平和のみになるペンの受け入れなんかいらない!という意思を感じますね」

「絶好のカンを引いて良いイーシャンテンになりました」

を引いての平和三色か、を引いてのタンピンにしたいですね」

「次巡をツモってテンパイしました」

「親で6巡目テンパイ。普通なら嬉しいはずですが黒沢の表情を見てください」

「不満そう!お嬢ご不満です!」

「そうです、満貫未満のテンパイはいらない!という心の声が聞こえてきます。むくれそうな頬を悟られまいと必死に抑えている様子が萌ポイントでもあります」

「なんと役無し3面張をダマにしましたよ」

「これは黒沢の能力SCS(Seijo-Celebrity-System)が発動しましたね。私のような庶民だったら、やっほーい赤あり3面張だー供託もあるしリーチして2000オール引いちゃうぞーと、喜んでリッチ!といくわけですが、黒沢はこうなると手変わりするまでリーチいかないですよ」

「すぐを引いてメンタンピンに仕上げましたね!」

「ええ、おそらく本人はこれでも三色にならず渋々だったと思います」

「梶谷さん大変です!このリーチに対して前に出る選手がいます!で鳴きました」

「これは驚きましたね。黒沢の親リーで高打点が予想され、しかもとカンチャンターツを払ったように見えることから良形とも読めるのでかなり攻めにくいはずですが、安牌が1枚だけでオリることも難しいとの判断で手を進めましたね」

「松本、すかさずをポンしてテンパイを入れました!」

「これは見事です。待ちになったときにがリーチの現物となっていることも後押ししていますね」

「なるほど!リーチの入った瞬間にそこまで考えて鳴いていたのですね。怖ろしいです。ついでに顔も怖いです」

「ええ、松本は卓上のヒットマンとも言われMリーガー随一の強面として知られていますが、私個人の情報によりますと、その礼儀正しさは業界一だそうです。怖いのは麻雀だけなのでファンの皆さん安心してください」

「きたあああああああ、裏が乗って6000オール炸裂だッッ!」

「これぞセレブ打法ですね!跳満となってまずまず納得といったところでしょうか」

 

東3局3本場

「黒沢、ダブをポンしましたが打としてイーシャンテンに受けませんでしたね」

「現状ダブドラ1で5800止まりです。セレブとしてはここからドラのを重ねるかをポンして最低でも満貫に仕上げなければなりません。鳴いてはいますが手牌の変化をかなり見込んでいるため、アガリまで時間がかかると予想されます。なので良形ターツを作りにゆったり構えます。セレブは朝からせわしなく動きません。コーヒーとエッグベネディクトを時間をかけていただきます」

でチーして打のイーシャンテンになりました」

「これならドラが必ず使え、形も悪くないです。ただ満貫に向けてもう一変化欲しいですね」

「これですね!」

「そうです。ドラの重なりを想定して良い形で構えていること、SCSの真骨頂です」

「ドラが暗刻になりましたよ!!テンパイです!」

「むっ、黒沢の表情をカメラが捉えました」

「Mリーグのカメラマン、いい仕事してますねえ」

「これぞ私のツモだわ、といったところでしょうか。黒沢クラスになると、あえてカメラに抜かれることを想定して表情を作ったまであります」

「手詰まった勝又、を黒沢に放銃です。これは最も安全な牌という判断だったのでしょうか?」

「黒沢の仕掛けですからね、自分はドラのない手ということもあって早々にオリていました。黒沢はと外してをチーしています。もしもが当たるとしたらから打としなければなりませんが、普通ここからなら打とするだろうという読みが働いたと思われます。黒沢の最終手出しがで、マンズの下と周辺が通っていなかったため、その辺りが本命とみたのでしょう。も初牌で切れなかったのですね」

「黒沢のセレブ打法が勝又の精巧な読みを狂わせたんですね。黒沢さらに12900を加点していきます」

 

東3局4本場

「黒沢またしても5巡目でリーチ!」

「しかしここに勝又も追いつく!」

「勝又はなんとか取り返したいですね」

「掴んだのは黒沢!」

「一発放銃で裏ドラが乗れば跳満でしたが満貫止まりでした。とはいえ4本場で9200の加点です。黒沢以外の3人が横並びになり2着争いが熾烈になってきましたね。黒沢は放銃となりましたが、展開としては自分以外が横並びでトップの取りやすい点差になりましたよ」

 

南1局0本場

「松本の早い和がりが出ました!」

「2着争いに頭一つ抜け出ました」

「親を迎えた松本、ポン、カンチー、ポンしてテンパイをいれました」

「ここで一つアガって2着固めをすると同時にトップを狙いたいところですね」

「これに追いついたのは小林。ダマにしましたがリーチにはいかないのでしょうか?」

「親の松本がを切っていて場に2枚出ています。出やすいは残り2枚でリーチすると捉えにくくなります。また両面の片割れはドラので、ダマでも打点が見込めるとの判断でしょうか」

「なるほど。梶谷さんも同じ状況ならダマにしますか?」

「僕はリーチいっちゃいそうですね。ダマでアガれても残り2局2着争いをしなければなりません。松本が仮にホンイツだったとしてもリスクに打点は見合います。むしろ脇からの出アガリは避けて、ツモか直撃狙いでアガったときの2着率を高くしたいです」

「ここは狙い通り黒沢からの2600出アガリとなりました」

 

南3局0本場

「親の黒沢、ダマを選択です。リーチはないですか?」

「ツモれば満貫ありますしあると思います。松本がをポンして萬子のホンイツをやっているように見えてカンに自信がなかったのだと思います。万が一5200直撃でもされたらオーラスでまくられる可能性も出てくるので、守備的にいきましたね。金持ちけんかせずです」

「この局は小林からリーチが入りましたが3者がオリて流局、一人テンパイとなってオーラスを迎えます」

 

南4局1本場

「2着争いをしている小林、松本、2人同時にテンパイが入りました!」

「トップ目の黒沢はすでに親の勝又に危険な牌は打たないようにしていますね。現物はありますが、できれば勝又以外のダマテンに当たる牌を探っています」

「選ばれたのは!」

「納得の放銃ですね」

「黒沢のトップで1回戦が終了しました」

「黒沢はこれで個人成績もプラスになりました。やはりセレブ打法がツボにハマると強いですね。見事でした」

「これ2回戦も続くのですか?」

「いや、残念ながら尺が長すぎて収まりません。2回戦も勝又の3倍満が炸裂したり見どころ多数なのですが、あとはZEROさんが拾ってくれるでしょう」

「最後は他力本願で締めですか」

「はい、ありがとうございました!」

 

1位:黒沢(雷電)+59.1 

2位:松本(ABEMAS)+5.3 

3位:小林(Pirates)▲19.2 

4位:勝又(風林火山)▲45.2

 

梶谷悠介

最高位戦日本プ麻雀協会所属。HNツケマイとして天鳳やブログで一時話題となる。去年パパと麻雀プロに同時なった男。最高位とMリーガーを目指して連続昇級中。

◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。

(C)AbemaTV

大和証券 Mリーグ 風林火山vsABEMASvs雷電vsPirates

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