手負いの獣、いまだ倒れず 道を切り開く鈴木大介の猛攻【Mリーグ2024-25観戦記 2/25 第1試合】担当記者 #東川亮

手負いの獣、いまだ倒れず 

道を切り開く鈴木大介の猛攻

文・東川亮【火曜担当ライター】2025年2月25日

大和証券Mリーグ2024-25レギュラーシーズンは、2月25日の試合を終えると全チームが80試合を消化、いよいよシーズンは最終盤へと突入していく。

前日の渋谷ABEMAS連敗で、セミファイナル進出圏内の6位を巡る争いはさらに激しくなった。ただ、離れた最下位のBEAST Xとしては、まずその争いに加わらなければ何も始まらない。

試合数、つまりポイントを稼ぐ機会は、日に日に少なくなっていく。

正念場のBEASTはこの日、チームで最高のトップ率・トップ数を誇る鈴木大介の連闘起用で勝負をかけた。

第1試合

東家:浅見真紀(赤坂ドリブンズ)

南家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)

西家:鈴木大介(BEAST X)

北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)

東1局1本場

チートイツに向かった大介は、早々にドラ【發】を重ねてテンパイ。リーチ判断に迷いそうなところだが、大介は一切迷わずに生牌【8マン】を切り、【8ソウ】待ちのダマテンとした。対面の親番・浅見の現物で、今拾えての6400ならそれもよし。

直後に引いてきた【9ピン】は同じく1枚切れだが、自身が序盤に【6ピン】を切っていて、かなり待ち頃の牌。これも一切の逡巡なく、今度はリーチと打って出た。

浅見から打ち取って、8000は8300。

まずは大きな加点に成功する。

その後は堀が満貫のツモアガリで加点するが、東4局には大介が堀から2600を出アガリ、2着目で南場に突入する。

そして、ここから大介のアガリラッシュが始まった。

南1局は親の浅見が先制リーチをかける。

続いて、大介もドラ【9ソウ】を切ってカン【3ピン】待ちテンパイ。リーチに対して切りにくく手に置いていたが、浅見がツモ切ったことで道が開けた。相手が親ということで、ここはダマテン

【3ピン】は親リーチの浅見に対してスジになっている牌。安全牌に窮した瑞原が切って・・・。

大介が1300のアガリ。

ラス目の親リーチを蹴る価値は、打点以上に大きい。

次局も仕掛けて1000点のアガリ、局を流すことに成功。

大介と言えば「ブルドーザー」と称されるように、パワフルな攻めと高打点のアガリをイメージされる方が多いかもしれないが、実際は仕掛けを多用する参加率の高い打ち手だ。

チャンス手は逃さないようにしつつ、無理に高打点を狙うようなことはせず、アガれる手はしっかりアガる。

この試合はそういう大介らしさが現れる展開となっている。

南3局1本場、先制リーチは堀。打点は低く待ちも悪形だが、アガれば同点で競る大介の親を落とし、トップ目でオーラスを迎えられる。

一方の大介も赤赤の1シャンテンで、オリるような手ではない。リーチの一発目に無スジを押し、【南】をポンしてテンパイ。

大介のBEASTは、トップが必須。ならばもう、行くしかない。無スジの【赤5ピン】も即座に叩き切る。

その打牌は、恐怖を振り払い、覚悟を示すかのよう。

山には残り1枚になっていた【5ソウ】【8ソウ】待ち。それを大介が引き寄せた。

敵の攻撃を押し切っての2000オールには「気迫で呼び込んだ」と書きたくもなる。

連荘した南3局2本場も、大介の手がいい。

配牌から場風の【南】がトイツで手もまとまっていたところに【3ピン】を重ね、【南】を切ってのタンヤオに進路変更。こちらのほうが仕掛けも使いやすいし、門前なら打点も上がる。

直後に堀が【南】を重ねる。

堀としては大介が切るもう1枚の【南】を鳴けるようになったが・・・

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