さいばら&山崎の でかぴん麻雀入門【第12回】
タバコ税アップ 一生で一千万円?
最近、タバコが大幅に値上げされましたね。
「これを機会に禁煙するつもり」
「禁煙は前も失敗したから、今回は大量に買い貯めした」
なんてスモーカーたちが、ぼくの周りにもたくさんいます。
買い貯めしたは、値上げからしばらくして、こんなことを言ってました。
「買い貯めしたのはいいけど、お金が足りなくなったので、知り合いの雀荘にだいぶ売った。おかげで儲かったよ」
それって、本当に儲かったのかなあ。このままもし禁煙すればそのとおりなんだろうけどね。
あるパチンコ店経営者は、
「億単位で買い貯めした」
って言ってたけど、こちらは本当に儲かるんでしょうね。
大金を持ってるところには、さらにお金が集まると。
いいなあ。
あるお金の専門家の計算では、タバコを買うお金を毎日貯金すると、一生の間に一千万円以上貯まるそうです。
毎日五百円として、年間十八万円。50年間だと…ニニンガシ。わっ 九百万円!
複利で貯金すると、もっとすごいことになりそうですね。
さらに行動経済学の専門家はこんなことも言います。
「タバコを1本喫うのに4分くらい。15本で1時間かかる。年間365時間タバコを喫っているとして、その分働いたら三十万円以上になる」
おお、それを何十年か続けるとなると、計算するのも恐ろしい。
とは言うものの、タバコを喫う時間が楽しいんなら、そういう計算自体が成り立ちませんよね。
次はリスク管理の専門家。
「火災の原因で一番多いのは、寝タバコです。火災で財産を失ったり、死ぬリスクがあります」
もうひとつオマケに予防医学の専門家のご意見。
「タバコが原因の疾病は非常に多い。たとえばゼンソクや心臓病、特に肺がんになる可能性は、喫わない人に比べると数倍高くなります。
医療費はもちろんですが、病気で働けなくなることまで考えると、タバコは大きなマイナス要因になります」
なるほど。でも、タバコに限らず、生活に多少のリスクはつきもの。
安全そうな自宅の風呂で溺れる人だって、けっこういるみたいですからね。
「タバコ1本で、寿命が5分縮む」
若いころからから毎日タバコ喫ってると、平均寿命は数年短くなるそうです。
老後資金が少なくてすむのは、メリットなんでしょうかね?
ギャンブルと 生活のバランス
さて、身近で目に見えるリスクといえば、やはりギャンブルですよね。
今回は、ギャンブルを楽しみながらも、身を滅ぼさない簡単な処方せんについてです。
「倍々プッシュで大儲け」
まず、この幻想を捨てること。 競馬の予想会社などの宣伝文句に良く見られます。
最初は小額の資金から始めて、勝ち金を再投資して、大金持ちになるとか。
FX投資やマルチ商法的な発想で、今どきこんなことを信じる人も少ないと思いますが、カモになるだけです。
ギャンブルのなかで、自由にレートや賭け金額が選べる種目は、長期間に渡って勝つことはほぼ不可能。
そんな必勝法があったら、誰も働かなくなるし、たちまちハウス(JRAなども)は破産してしまいます。
そうならないように作ってあるから、今もハウスが存在するんです。
ギャンブラーが不正をせずにコンスタントに勝てるのは、パチンコや麻雀などのように、コツコツと技術介入の余地があるものだけ。
要は職人ワザを駆使して稼ぐんです。
パチンコの場合はあまりレートが選べませんが、麻雀の場合は、かつては高レートも可能でした。
パチンコよりは「倍々プッシュで大儲け」の可能性が高いと言えます。
以前にも書いた昔話で恐縮ですが、旅館麻雀でぼくは手配師に「木場の材木屋の若旦那」として紹介されたことがあります。
若旦那、身元の堅いカモという意味合いでしょうが、四国の貧農出のぼくには若旦那のフリは無理。
だいたい、当時の木場あたりは古い東京弁が残ってた地域で、朝日新聞のことを「あさっしんぶん」と発音したり、潮干狩りのことを「ひよしがり」なんて言ってました。
ぼくにはそんな発音は無理なんですが、実はその手配師は、他の人も「材木屋の若旦那」って紹介してたんです。
ヒモってのも博打場の定番。
エロちゃんて、すごい名前の遊び人風の男は、当然女の金で遊んでると思ってました。
ところが本性は雀ゴロ。金持ちを装うのではなく、ヒモってのに工夫が見られます。
博打場の人の素性は、ほとんど信用できないと思いました。
さて20年くらい前、売り出し中の漫画家西原理恵子さん、編集局長の末井昭さん、編集プロダクション社長の島本慶さんたちが、ギャンブルにどっぷりハマっていたころのことです。
ぼく以外は麻雀のビギナーで彼らの年収を足すと、たぶん数千万円!
「このメンツで毎日麻雀を打てば、年収一千万円になるかも」
なんて考えが頭に浮かんだことがあります。
確かに実現の可能性はありますが、それよりも、お金の稼ぎ方を教わったほうが手っ取り早いかもしれない。
3人の仕事はそれぞれ違いますが、ぼくが感じた共通点はハードワーク。
とにかく良く働いてます。遊ぶのはその次。
「稼ぐに追いつく貧乏無し」
ちゃんと自分の仕事さえやっていれば、大人がどんなものにハマろうと、だいじょうぶなのだ。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2010年11月15日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/
コメントを残す