
こうなった以上、少しでも失点を減らすために、アガリを目指すしかない。
7巡目、平和のみの待ちでテンパイ。ただ、
を切って
・
・
を引けば純チャンがつき、打点が一気にアップする。

菅原の強気な選択が功を奏し

2巡後、を引いてリーチをかける。
をツモれば、リーチ・ツモ・平和・一盃口・純チャン、裏か一発がつけば倍満にまでなる大物手だ。
倍満を成就させれば、+16ポイントなので1着順アップさせたのと同じくらいのインパクトがある。
しかし、このリーチに立ちはだかったのが

この試合トップを取った、直近絶好調の園田だ。
園田はリーチが入った時点でタンヤオのみのテンパイを入れていた。

トップ目でオーラスを迎えた園田だが、4巡目に上家の菅原が切ったを678でチーしてタンヤオを作っていく。

かなり無理やりな仕掛けで、園田がトップ目なことを考えると。チーしない人の方が多そうだ。
園田が仕掛けた理由に、点数状況がある。

トップが是が非でも欲しい亜樹とは10,700点差なので、親番の亜樹は当面オリることはないだろう。3着目の堂岐は2着目の亜樹まで9,800点差なので満貫ツモで逆転する。
フェニックスのチーム状況としては既にセミファイナル進出が決まっているようなものなので、残りの試合で首位のドリブンズとの点差をなるべく詰めておきたい。
そうなると、この局面で堂岐が急いでアガリを目指す可能性は低くなる。自身がゆっくり手を組んで満貫を目指して2着を狙うのも良いし、仮に親番の亜樹に先を越されてアガられたとしても、園田が2着になり結果としてドリブンズとのポイント差が減ることになるからだ。
菅原はある意味フラットな押し引きになるが、チームポイントも鑑みると安手でサッと流しにくることはしないだろう。
つまり、一見トップ目だがゲームを早く終わらせたい選手が園田しかいないのだ。
そのため、多少無茶でもアガリに向かう必要がある。

数巡後、が出てポン。
攻めつつも、亜樹の現物であるをトイツで残しているので、守備力も担保されている。
そしてと
のシャンポン待ちテンパイ。

この直後、菅原から待ちリーチが飛んでくる。

園田のシャンポン待ちは見た目枚数で2枚しかなく、リーチがかかったとなると1枚も押さずオリに回ると思われたが


なんと山に1枚残っていた最後のアガリ牌を引く。
菅原に1回もツモ番を回すことなく試合を終わらせる。

残りの試合を全勝する必要があると言われていたビーストだが、結果は2連続ラス。
麻雀なので可能性が0ではないが、やはりここからの逆転は厳しいと言わざるを得ないだろう。
残り6戦、諦めず戦う選手の勇姿を、最後まで見届けたいと思う。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
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