攻め続ける菅原千瑛と迎え撃った三者の選択【Mリーグ2024-25観戦記 3/17 第2試合】担当記者 #江崎しんのすけ

【北】のシャンポン待ちが出てくる可能性はあるが、その場合堂岐が切った【中】をポンしてテンパイを取っていないことになるし、【中】のトイツ落としのところで【北】のトイツ落としが選ばれていた可能性も加味すると、待ちとして出てくる可能性は低そうだ。

実際はこの【北】が菅原の当たり牌になっている。
リーチ前は手牌に浮いていた【3ピン】が通っていなかったので【中】をポンしなかったが、【3ピン】が通り安全な進行でテンパイにたどり着いていたのだ。

堂岐が【北】を切れば、一発がついて5,200点からの放銃となっていたが

なんと堂岐は放銃を回避。【7ピン】を暗刻で落としてオリを選択する。

一見通りそうな【北】だが、堂岐曰く、オリの決め手となったのは菅原の序盤の切り出しで、手の中に字牌で構成されたターツがあると読んでいたとのこと。

菅原は序盤にピンズ・マンズの真ん中の牌を切っている。ソーズが2ブロックありそうだが、【3ソウ】が3枚見えているので3ブロック作るのは困難になっている。

であれば唯一河に2枚以上見えていない字牌の【北】を持っている可能性が高いのでは? という読みだ。

この読みがズバリ的中し、放銃を回避。

ノーテンでの流局となったが、損失を最小限に抑える。

アガリまで至らなかった菅原だが、その後も展開に恵まれず、南3局を迎える。

持ち点を6,400点まで減らしていた菅原。
トップ目まで38,200点差と逆転が現実的ではないため、18,500点差の2着目亜樹をターゲットに手を進めていく。

5巡目の菅原の手。

現状【南】ドラ1が見える手だが、勿論南はポンすることはない。マンズが埋まっての平和移行も視野に入れている。

次巡、僥倖の【南】ツモ。

こうなればオリることはほぼ無い。
リーチをかけて【7ソウ】をツモれば跳満まで狙うことができる。

しかし、この局は2着目の亜樹が立ちはだかった。

亜樹はラス親が残っているが、堂岐とほぼ並びなので、この点数のままオーラスに突入すると、園田・堂岐が結託してオーラスを終わらせにくる可能性が高い。

オーラス、堂岐に逆転条件を押し付けるためにも、この南3局で加点しておきたい。

そんな亜樹だが、菅原がイーシャンテンになった同じ巡目に、亜樹もイーシャンテンになっていた。

マンズの3~9を引けばテンパイする。
しかし、引くマンズによっては不十分な待ちになってしまう。

中でも

この【9マン】ツモが一番悩ましい。
単騎テンパイになってしまうし、待ちを変えようとすると赤【赤5マン】が使えなくなってしまう。

亜樹が、長考に沈む。
出した答えは

【3ピン】のテンパイ取らずだった。

チームの状況的に、どうしてもトップを持ち帰りたい亜樹。
そのためこの局面ではある程度の打点を作る必要があり、【4マン】【赤5マン】は残し他のターツから雀頭を作る道を選ぶ。

どのターツを壊すか非常に判断が難しいが、他の3人が序盤に【1ピン】【2ピン】を切っており、選択肢の中で【3ピン】の場況が一番良い。

仮に【4マン】【5マン】が雀頭になった場合はフリテンリーチをかけることになるが、その場合フリテンでも他家と勝負になりそうな【3ピン】【6ピン】を選んだと思われる。

【3ピン】の場況が良いということは、【3ピン】を重なり候補として残して打【5ピン】とする手もあるが

【5ピン】を残したのは、この一番嬉しい赤【赤5ピン】ツモがあるからだ。
絶好の【3マン】【6マン】待ちとなりリーチをかける。

その直後、菅原も追いつく。

ドラの【7ソウ】を引き入れての【4ピン】【7ピン】待ち。
満貫が確定しており、亜樹から直撃が取れればほぼ並びとなる。

結果は菅原が【3マン】を掴み放銃。

最初のテンパイ時、打牌の候補はかなりたくさんあったが、【3ピン】以外を選んでいるとどれもこのアガリにはなっていない。
もし単騎テンパイを取っていたとしても赤【赤5ピン】を引いた時に【2ピン】【5ピン】待ちの亜リャンメンになっていただろう。

亜樹オリジナルの手順で、ラス前の加点に成功する。
オーラス、箱下で迎えた菅原。

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