
南家・黒沢と西家・瑞原が早々に打としているのでカン
待ちがそこそこ強くなっている河と言えよう。それならば、ここでブロック数を減らす打
なども有力であったが…
白鳥
「カンが悪い情報も無かったし、ツモ
は流石に耐えられないかなと。」

また、途中で引き入れたによって、再びターツ選択を迫られる場面が訪れる。
と
いずれも場に2枚切れと条件は同じ。ほんの僅かな場況の揺らぎと、過去の経験が選択を導いていく。

打とし、カン
に照準を合わせると…

こだわり続けたを呼び込みイーシャンテン。

ここまで来ると牌も白鳥に応える。
そして、ツモで流れるようにテンパイが入ると

先に仕掛けた瑞原とのテンパイ対決へ持ち込んだ。
残るアガリ牌は、瑞原1枚、白鳥3枚──
それはただの数字ではない。
“100万分の1”
を引き寄せる為に。
今、立ち止まっている暇などないのだ。


サポーター、そしてチームメイトが、ここまで積み上げて来た我慢と消さなかった光に希望を重ねる。
そして… 白鳥の最後のツモ牌。

それは、まるで運命が弄ぶかのようにやって来た牌。丸が僅かに2つ多く、あるいは1つだけ足りないであった。

最後は“神のみぞ知る”
そう言い訳しても許されるほどに、
白鳥が積み上げてきた希望は、音もなく崩れ去っていった。
一人の人物を除いて…。

実は、白鳥の下家に居座る太がリーチ宣言牌のをチーしていたのだ。
つまり… 今やってきたこのは、本来は白鳥のツモ筋牌。
そう、神は、確かに白鳥に微笑んでいたのだ。1本の白い羽根を、空高く舞い上がらせる為に。
それを太の最後まで攻め切る強い気持ちが勝ったのだ。
その事実を。
この瞬間に限り、ただ一人。太だけが知っているのであった。
思い返せば南3局に

白鳥がチーして黒沢のハイテイ牌をずらした局。

一枚寂しく佇む1牌…。
それは果たしてだったのだろうか。
人と人の見えない感情が交わる時、麻雀は美しく、時に残酷な無限のドラマを紡ぎ出す。
その牌がだったかどうかに対して、白鳥はきっとこう答えるだろう。
(それを考えても意味ないよ。だって積まれてるのは、“情緒”なんだから。)

白鳥
「僅かな勝ちを目指して、僕らは最後まで諦めません。」
例え、100万分の1が2000万分の1になろうとも、Mリーグという最高峰の舞台を最後の一戦まで良い作品に創り上げてくれることだろう。
そして、無限に続く終わりなきドラマの続きを、皆さんと一緒になって見続けたい。