「やっぱりお前が伊達朱里紗だ」
豪快に、繊細に、ボーダーへ駆け上がる朱き炎
文・高倉拓馬【火曜担当ライター】2025年4月22日
第1試合
東家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
南家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:浅井堂岐(セガサミーフェニックス)
北家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
この半荘は、伊達と堂岐がお互い譲らないデッドヒートを繰り広げる。
東2局、伊達のカンリーチに

堂岐もカンのヤミテンで対抗。堂岐が競り勝って2000-4000。

しかし南1局1本場には伊達が好配牌。

太に先制リーチを取られるものの、

タンピン赤2のテンパイ。が3枚見えで太のリーチの現物、5pが1枚見えで計4枚見え。
ヤミテンを選択した直後

チートイドラ2赤、1シャンテンでそこそこの勝負手が入っていた堂岐から現物のがこぼれた。

技ありの8000点。これで伊達がトップに躍り出るが

堂岐もまだまだ譲らない。南2局には仲林から8000点をアガり、再びトップへ。

しかし南3局には伊達がこの3メンチャンリーチを

一発でツモ。これで堂岐を振り切り、KONAMIに値千金のトップをもたらした。

2位に終わった浅井堂岐のインタビューでは、伊達の力強さを表現するかのように
「やっぱりお前が伊達朱里紗だ」というコメントを残していったが、

この半荘、伊達は実に繊細だった。
その繊細さが感じられた3局面。
まずは「本に出てきそうな何切るの捌き」から、
続いて「副露に対する対応技術」
最後に「オーラス、アガリトップの手牌進行」
の3点を、読者の皆様と一緒に見ていきたい。
①本に出てきそうな何切るの捌き
南2局、トップ目伊達の親番。
4555の形が2つとリャンカン形が1つ。
皆さんは何を切りますか?

伊達は頭を悩ませる。


伊達はを選んだ。この打牌意図を探っていこう。

打牌候補はか、あるいはどちらかの4を打つかの3択か。
を切るとピンズソウズの3メンチャンを保留しながら、カン
固定とすることで比較的ドラが使いやすい形を残すことができる。
、
を切ると3メンチャンの受けが無くなるのでロスが多いように見えるが、現状雀頭が不確定な形であるためマンズの
ツモでもテンパイが効く形になる、
したがって受け入れ上のロスはそこまでない。
さらに、マンズのリャンカン形を残すことで、最終形が3メンチャンになりやすいというメリットがある。
麻雀はアガるときの受け入れが一番狭く、テンパイ時に受け入れが最大になるような手組みを考えたい。
これらの理由から、伊達はピンズソウズどちらかの4を切ることに決め、河の情報からピンズ良しとみて打としたのであった。
②副露に対する対応技術