全てを焼き尽くし、
佐々木寿人はこう綴った。
「我、覇道なり。」
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2023年2月16日
第1試合
東家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:勝又健志(EX風林火山)
覇道…(覇者が)武力や権謀によって天下を支配する政治のやり方。王道の対義語。
寿人のもとで、牌が躍動していた。
東1局から最高のを引いてのリーチ。
この手はで出アガっての3900点止まりだったが、
続く東2局、
これもまた、理想のテンパイ形となるをツモって、勢い良く牌を横に曲げた寿人。
これを、
一発ツモ!
4000オールを加点し、突き抜けた寿人。
一転して、
終盤なのでアガリ率を下げないことを重視。
また、
河を見ると、マンズの中ごろは程よく切れている。ダマなら他家が切ってくれそうだ。
ほどなくして、たろうが切ったをとらえて寿人がアガる。
南1局1本場では、一つ仕掛けを入れてチャンタのテンパイを入れた寿人、
カン材のをツモ切り。
切り順が派手なので、マンズのホンイツもまだ否定出来ない河になっている。カンをした場合には、染め手ではないことが知れ渡ってしまう。
また、鳴いている状態からトップ目が暗カンをしたら、テンパイがバレてしまうという面もあろう。自身は愚形テンパイなので、スッとアガってしまいたいところだ。
他家がみな門前でもあるここは、静かに局を進める道を選んだ。
本田からで出アガリ。他家の親を軽やかに流していく。
そして迎えた二回目の親番。
寿人は、
8巡目にこの形。
私が寿人の麻雀で好きなところは、
このをスッと切るようなところだ。
待ちは消えてしまうが、はさほど嬉しくない。ならば素直にリャンメン+リャンカン+リャンカンのストレートなイーシャンテンに構えようという一打だ。
打という手もあるが、場を見ても、
が切れていて、の感触は悪くない。ということは、は比較的安全な牌とも言える。
234の三色や、薄いながらもマンズの一通もあるので変にこねずに進めていく。
そして何より素晴らしいのは、「これらの思考を全て終えた上で、打牌スピードがものすごく速い」ことである。ここが良いのだ。
寿人の打牌が速いことは有名だが、真に凄いのは、手番が回ってくるまでの間とツモったときの僅かな時間で考えがまとまる「思考速度の秀逸さ」であろう。
「リーチ」