守る仲林、攻める茅森。
まさに、静と動のコントラスト。
なかなか決着がつかないまま、

仲林にもテンパイが入る。
さっきはイーシャンテン。
だから、守ることを選んだ。
しかし、

仲林は、

またしても、を打たなかった。
先ほど通ったを中抜きして、3人がぶつかるのを見る選択をとった。
ソウズが極端に高い色になった中で、がリーチの2人ともに通っていないこと。
そして、–
待ちは全員に残っているので、ツモられることや頭ハネされることを考えると、自分のアガリも濃くはないこと。
このあたりが主な理由であろう。
それでも、だ。
この局面で、を手に留めることが出来る打ち手は、どれほど存在するのだろうか。
大事な試合での信頼感は、麻雀界随一。
この日は、本田の高速ホンイツに飛び込んでしまったものの、それに動じることなく、以降は抜群の安定性を見せた仲林圭。
ここでの放銃回避は、紛れもなく超ファインプレーであった。
当該局の結末は、

3軒テンパイでの流局だった。
続く、南1局1本場。
親番を繋いだ茅森に、

チャンス手が入っていた。
ドラがトイツ。そして好形テンパイが約束されたイーシャンテン。
ところが、
「リーチ」

仲林から先制されることに。
茅森が一発で掴んだのは、

だ…
茅森は、

止めた!
スジのを切って、イーシャンテンはキープ。
次の手番で、

を持ってきて、

を連打。
仲林に通っていない、ソウズの下目(数字の小さい方)をホールドしながら進める選択をとった。
前局の仲林に続いて、こちらも見事な放銃回避だ。
前回の登板では、

(13日火曜日2試合目の結果)
トップを獲得した茅森。
この日も勝負所で光る選択を連発していた。
また、表示や仕草から、全くプレッシャーを感じさせないのが素晴らしい。平常心で戦っていて、仕草やオーラがいつもと変わらないように感じる。
私は初年度からMリーグを全試合見ているが、正直なところ、ファイナルにおける茅森の打ち回しに関しては、印象が薄かった。
それもそのはず。調べてみたら、茅森のファイナルでの登板数は、フェニックスが参戦した2年で計4回なのだ。
アツい試合の観戦記の最中に、やや脱線した話をして申し訳ないのだが、私はファイナルシリーズでは「各チーム、選手4人の登板数を均等化する」方がいいと考えている。
16試合なら、4人が4試合ずつ出るという具合だ。
理由としては、レギュラーシーズンやセミファイナルもそうなのだが、「終盤は特定選手の起用数が著しく増える」傾向にあるからだ。