もう一度、声に出して言おう。
3,000局あまりやってきて、最後の条件がそれなのだ。
ここまで来ると、笑いも無くなるよね。
更に面白いのが…
親・仲林がリーチ宣言。
その瞬間
園田の逆転条件が、さらに緩和されることとなった。
◉ツモアガリ
→ 500・1,000
◉出アガリ
→ 醍醐から1,000
→ 仲林 or 萩原から2,600
そして何とその巡目、園田にもテンパイが入ったのである。
役は無い。
ただし、ツモ条件は満たしてそうだ。
一発なら、どこからでも出アガリ可能。醍醐からの出アガリなら、無条件でクリア。
問題は、一発が消えたあと、仲林からの出アガリするかどうか。裏1であるならば、その望みにもかけて良いかなど。
そのすべてを、園田は頭の中で目まぐるしくシミュレーションしていた。
そして、決断する。
あれだけハネマン、倍満といったアガリを見てきて、最後に辿り着いたのは、たった一つの答え。
“リーチのみ”。
本当に、麻雀は面白い。
そして、何より奥深い“頭脳スポーツ”だ。
ただ、面白いのはそれだけではなかった。
この時、実は醍醐にもテンパイが入っていた。それも役ありカン
待ち。
静かに勝機を狙っていたが、一発目に持ってきたのは両者に通っていない
であった。
これは、最後の最後で訪れた醍醐への挑戦状である。
時が止まった。浜松町のMリーグ・スタジオ。
営利的な側面を強調するならば、この一打で5,000万円の行く末が掛かっているのである。
共に戦ってきた仲間が見守り
ウィングスの声援が見えない力を送る。
そして、何より負けられない理由…

チームに悲願の初優勝をもたらすと同時に、この舞台への道を開いてくれた恩師、退任が決まっている近藤監督を胴上げする為に…。
醍醐が決断した道。それは…
雀頭の
を切って羽を休ませる事。
なぜならば… 次のツモ牌には
一緒に戦ってくれている恩師の。
あの時の不死鳥が
“思いがけない幸運”=“セレンディピティ”
を運んできてくれるから。
醍醐は死んでいなかった。テンパイ復活である。そして…















