ピンズリャンメンの選択は、

「序盤から良さを感じていた」
とYouTubeの検討配信でも語っていた、–
待ちを残していく。
あらかじめ決めていたからこそ、ここでの、

そして、このテンパイ時のがスムーズに河へと並び、他家にテンパイ気配を感じさせない打ち回しになっていた。
「ロン」

これを黒沢からアガり、

「12000」
地を這うように低い、多井の声が会場に響いた。
オーラスに、

黒沢が七対子ドラドラのリーチを放って食らいつくも、

最後は多井がタンヤオの300-500をツモって試合終了。

激戦を制し、多井が今季初トップを決めた。

試合後のインタビューでは、

携帯を覗くたびに、
「多井は終わった」
「多井は弱くなった」
という文字が目に入ってきたことに対して、

「ムカついてました!」
「誰が本当に強いか思い出させてやろうと、ずっと思っていました!」
と話す多井。
また、

南3局のピンズでのリャンメンターツ選択について聞かれると、
「そこはアガれる方を残します、多井隆晴なので」
と語っていた。
私はニヤニヤしていた。
そうそう。多井隆晴はこうでないと。
やっぱり、

あなたが憎らしいくらい強くないと、Mリーグは盛り上がらないのだから。

\近代麻雀シリーズ 新刊情報/