多井隆晴vs鈴木たろう「最強」と「神」が創り出す珠玉の駆け引き【熱論!Mリーグ】担当記者:渡邉浩史郎




熱論!Mリーグ【Sun】

多井隆晴vs鈴木たろう

「最強」と「神」が創り出す

珠玉の駆け引き

文・渡邉浩史郎/2019年11月10日

月に一度の土日開催、通称ウィークエンドMリーグ

17時開催と、普段よりも2時間早い開催であり、平日生では見られない人も楽しめるようになっている。

チームにとってこの日に勝つということは、多くの視聴者にファンになってもらえるチャンスであるのだ。

本日1戦目、特にそういった”見られ方”を重視する渋谷ABEMAS、赤坂ドリブンズ両チームからは人気・実力共にエース級の二人が出そろった。

“最速最強”、多井隆晴

“ゼウスの選択”、鈴木たろう

お互いをリスペクトしあっている二人のぶつかりあい。存分に見ていこう。

【東3局】

ここまで比較的おとなしい進行の半荘だったが、この局はたろう、多井が二件リーチでぶつかる。

7巡目、たろうが下の手で即リーチ。

リーチ・タンヤオ・平和・ドラ1・高目三色。待ち。赤こそないもののAランクと言える手だ。

同巡、多井。

リーチ・・ドラ。カン待ち。こちらは愚形待ちということもあり、Bランクといった所か。

追っかけリーチとしては満足の行く待ちではないが、打点は伴っているため、リーチした方が得という判断だろう。切りでぶつけに行った。ちなみにはたろうのリーチの入り目。多井隆晴の入り目プッシュである。私がたろうの立場ならこれだけで縮こまってしまいそうだ。

しかし結果はたろうの一発ツモ。さすがは百戦錬磨の鈴木たろう。多井のプッシュにも慣れっこという事なのかも知れない。

安目ではあるが3000・6000の大きな加点となった。

【南1局1本場】

東4局、たろうの親番がノーテンで流れて来た現在ラス目の多井。この親番で何としても加点したいところ。

丁寧に手を進めて12巡目に先制リーチ。この点棒でも前巡にを切っているのが何とも守備型の多井らしい。

はこの時点で山に4枚いたが結果は流局。親番の平和・ドラというAランクの勝負手なので、多井にとってこの空振りは非常に痛い結果と言えるだろう。

【南1局2本場】

何とか親番こそ継続できたものの、今局は配牌が奮わない多井。

5巡目でこの形。ここから多井は……

を切った!なるほど確かには2枚切れであり、シャンテン数で見たときに損をするケースはの2枚分だけである。仮に裏目と言えるを引いても形としてはすこぶるいい。

更にこうしておくことでというドラの受け入れ牌と、2つの役牌を持つことができる。ドラはもちろん打点に直結するし、この愚形が多い手では鳴いて手を進められる役牌の重なりも重要な受け入れだ。

親番で手が悪い時は、子方を押さえつけるために最速リーチ手順で手を進めてリーチを打つのがいいとされている。

しかし赤有りルールでは子方の平均打点も高くなる。

今回のようにドラも赤もない遅い手では、押さえつける前に子からリーチが来るか、押さえつけリーチの後に勝負手の子に押し返されて、最悪高打点の放銃につながってしまうケースもある。

その意味で今回の多井の選択は非常に理にかなっていると言えよう。

狙い通りのを重ねて打。ここでもドラ受けとを残しつつ5ブロックに構えた。

そして7巡目にこの形から仕掛けだす。

たろうの切ったをチー。の後づけの仕掛けだ。

多井はMリーグの中でも比較的重い手牌進行の多い打ち手だ。しかし今局での加点の有無でトップ率が大きく変わる事、そして供託2000点が落ちているので、この競った点棒状況であればが打ち出されやすい事を考慮し積極策に出た。

そしてこの選択がはまる。

好形イーシャンテンとなった近藤からが打ち出され、これをすかさずポン。

道中にを引き入れて打点アップ。そして14巡目、こちらも好形のイーシャンテンだった岡田からが打ち出され・赤のアガリ。

2900+600+2000=5500の大きな収入となった。

これでたろうとの点差は10000点を切った。南場に入ってズルズルと着順が落ちる展開が続いているドリブンズからすれば、この多井の連荘はたまったものではないだろう。

【南1局3本場】

前局、技ありのアガリで連荘した多井にご褒美の時間がやって来た。

6巡目、するすると手が進んでこのイーシャンテン。目一杯に構える。守備型の多井でもこの巡目では切らない。の縦や、引きでのドラ受け両面の手替わりが存在するからだ。

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