寿人の強さの源泉は、若い頃から培ってきた膨大な稽古量にある。
あらゆる局面に対する準備が出来ているからこそ驚異的な摸打のスピードが実現できるわけで、この待ち選択もおそらく稽古の中で見つけた「決め手」が寿人の中にあったはずだ。
「ツモ。」

リーチの一発目、寿人の右手に誘われたのは。
リーチ一発ツモの4,000オールで均衡を破った寿人は、続く2本場でも1,300オールで加点に成功。

南場の親番で決着をつけた寿人がこのままトップでチーム3連勝。

ひと頃は深いマイナスの世界で彷徨っていたのが嘘のよう。
滝沢→高宮→寿人の3連勝リレーでチームポイントがプラス域へ浮上した。
トップの順位点がものすごく高いMリーグルール。
3桁のマイナスもツボにハマればご覧のとおりである。
この好調の原因を探ると、寿人のこの記事が示すとおり滝沢監督の采配によるところが大きいのかもしれない。
新監督【文・佐々木寿人】|近代麻雀ノート @mjsaikyosen https://t.co/EM8KFzi4YP
— 麻雀最強戦〈公式〉 (@mjsaikyosen) October 10, 2025

監督職というのは孤独なものだと言われる。
勝てばそれで良いが、負ければその責任を一身に背負わなければならない。
プロ野球の監督は、そのプレッシャーゆえに全く眠れない方もいらっしゃるらしい。
滝沢をライバルとし、さらには盟友としてその立場を理解している寿人。
滝沢を思いやる言葉がたくさん散りばめられているのが非常に印象的な文章だった。
この好調はいつまで続くのか、興味深く見守りたい。
あ、そうそう。
最後は、ゲーム前に煮えくりかえっていた魔王の表情をお伝えして締めくくりたい。

魔王様、ご満悦である。

北海道在住のアマチュア雀士。 7歳で父から麻雀を習い、土田浩翔プロ、喜多清貴プロを師と仰ぐ。 2020年北海道最強位。