未来を渇望した福島祐一、田村洸の執念の前に散る。【麻雀最強戦2025 激突タイトルホルダー】観戦記【B卓】文：千嶋辰治

チャンタや123もしくは789三色が狙える手牌。
2番手の優まで8,300点差。
自身の親番が残っているとはいえ、点差は早めに詰めておきたい。

3巡目、福島がここから切り出したをチー。

打。バックも含め、出来るだけ手役を重ねて上位に迫りたいところだが、

チャンタにならないをツモ。

かくなる上はをポンしてドラをヘッドの3,900狙いへシフト。
ペンターツを払っていき、

福島から切られたを首尾よくポン。
打でイーシャンテン。

一方の優は、

ご覧の形でイーシャンテンを迎えていたが、

4枚目のを持ってきてアンカン。

新ドラは。

優の手牌に2枚！
アンカンによる点数アップで満貫のイーシャンテンに。

さらに田村から切られたが鳴けてあっという間にのテンパイ。

ここで技アリだったのが、

優がノータイムでを空切りした点だ。
これが効果抜群。
最終手出しがとなることでやといったの周りの牌が切りにくくなった。
少し考えての空切りであれば話は別だが、秀逸だったのはノータイムだったこと。
これがテンパイ打牌だというように感じさせるには十分な空切りだった。

これにより、急に手詰まりしたのが三浦。

最終手出しのピンズには手をかけたくない。
はカンドラ。これも味が悪い。

必死に優の手を読み解く三浦。
その視線の先には田村の6巡目に切られたがあっただろう。
優はが暗刻だった。その後にカンをチー。まっすぐテンパイまで走っているなら、6巡目のもチーしているのではないか？

選ばれたのは奈落行きの。

この12,000点で決勝進出の1議席がまず決まった。

・昇龍位か王位か？オーラスの攻防

迎えた南4局。
親の三浦は連荘が必須。
現状２番手の福島が３番手の田村に対して11,700点の差をつけている。
田村は逆転のためにハネ満が必要。
条件は決して簡単ではない。

 

田村の配牌。
これをハネ満に仕上げなくてはならない。
皆さんはどのような最終形を思い浮かべるだろうか？

私は… この手がとてもハネ満に仕上がるなんて思えなかった。
福島の逃げ切り優勢。
メモを取るためのペンを置いて、どの場面を観戦記にまとめようかとメモを見返していたくらいだ。