東城りお
「ポンッ!!」
役なしカン
テンパイを入れていた東城が
を一声。そこから待ちを単騎に変えていくと
ハイテイ・![]()
2,000(+2,000)
“猛将の風を止める”べく、永井から
単騎を仕留めるのだった。
仕掛けた盤面がこちら。
三軒リーチに挟まれたこの状況。皆さんは、この瞬間に「ポン」の声は出ますか?
は全員に安全。
でも、
は優には通っていない。
鳴いたあとに、ちゃんと安全牌は足りるのか。
このまま進めば、ハイテイは誰の元へ行くのか…。
🎤試合後のインタビュー
「私、ちゃんと試合に入り込んで戦えてる!」
いわゆる“打ててる”ってやつだ。
点数はそこまで大きくないものの、自分の感覚がきちんと噛み合っている時の手応えは、何よりも大きい。
東城にとって、このアガリは好調さをそのまま形にしたものであった。
心理と主導権──優・東3局での二発──
東3局に東城から親のマンガン12,000を仕留め、一歩抜け出した親番の優。ここからはもう、卓上の“空気”そのものを握りしめていく。ここではその流れを形作った2局を紹介したい。
1 :東3局1本場
まずこちらの配牌は。マンズのホンイツも見えるような形だったが…
孤立の
から切り出し、手をまっすぐ進めていく!
振り返り配信では、もちろん自然とホンイツになれば狙っていくが無理はしないと。この局は、最速のアガリを優先して親を維持する事であった。
狙い通り、最速でカン
のテンパイに辿り着く。そして数巡後、
をツモったところ。
本来なら、素直に場に捨ててある安全な
をツモ切っておけばいい場面。だが、優は
を“あえて”スライドさせて場に放った!
もちろん、後で安全な
と入れ替えられるようにしたり、ツモ切りの道中で切られた牌(例えば
とか)を“リセット”する意味合いもある。
しかし、ここでの意図はそこではない。向けられた先はトイメンの永井、9巡目にツモ切られたダブ
に対してである。
実は、この
をツモ切った際に永井は
まるで優に
「イーシャンテンでございまっか? どないでっしゃろ?」
と同じ団体の先輩に何か語るかのような視線を送っていた。
その問いかけに、優はそっと視線で返す。
「(ずっとテンパイしてたけど…)じゃあ今、テンパイしたってことでいいよ。来れるなら来てみろ!」
あの場面の
は、ただのスライドじゃない。振り返り配信でそう語った。
高宮と東城はすでに受けていると読み切り、まだ前に出てくる可能性のある永井…
その卓上での見えない会話は、しっかりと伝わっていた。
がすでに4枚見えと、この局に限れば
は比較的“安全寄り”の牌。本来なら、そこまで怖がる必要はないはずだ。
しかし、そのメッセージが向けられた永井からすると話は別だ。
困ったように眉を寄せ、そっと手を引く。
オリである。
時に、たった1枚の手出しだけで、相手の押し返しを止められることがあるのが麻雀。つまり点数だけではなく、心も動かせるゲームだということだ。
















