南4局
ついに、運命の局がやってくる。
醍醐は3着目。3着と4着の点差はわずか、トップまで届くには倍満ツモが必要。
一見厳しい条件下、醍醐の手にドラドラ赤赤 倍満まで見える配牌が舞い降りた。
「ここで行くしかない」
そう言わんばかりに醍醐は一打一打、迷いなくメンゼンで手を進めていく。試合後のインタビューで彼は語った。
「最後までメンゼンでいきたかった」
その言葉どおり、王者らしい信念の麻雀を貫いた。
その間に、トップ目の園田が2フーロし、![]()
のシャンポン待ちテンパイ。
そして、醍醐に![]()
待ちのテンパイが入る。
リーチドラドラ赤赤、一発ツモ+裏1orツモ裏裏で倍満ツモ条件を満たす勝負手だ。
リーチ後の一発目
醍醐が
をツモ! 裏ドラは
。
見事、裏1で倍満ツモの4000-8000を決めた。
劇的な大逆転に、観戦者全員が息を呑んだ。
静かな男が、静かなまま“雷鳴のようなアガリ”を決めてみせた。
試合後のインタビューにて醍醐は、
「アガった瞬間はめちゃくちゃ嬉しかったです」
言葉は控えめだが、その表情はどこか晴れやかだった。
「運気を変えるために、たくさん寝て、身体中に塩を塗ってサウナに入りました。邪気を払いました」
笑いを誘いながらも、その努力と祈りが実を結んだことを感じさせるコメントだった。
長いトンネルの先で、ようやく光をつかんだ王者。
このトップが、セガサミーフェニックスの反撃の狼煙となるだろう。
そして醍醐大という男の物語は、再びここから始まる。
眠りから目覚めた男が、再びMリーグの頂を目指す。

2025年3月に大学を卒業後、麻雀店に勤務しながら麻雀YouTuberとして活動中。フリー雀荘での実戦動画を中心に配信し、noteではコラムや動画の裏側を発信。麻雀をもっと身近に、もっと楽しく届けることを目指している。















