邪気を払い、眠りから目覚めた王者 醍醐大【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/13 第1試合(麻雀チャンネル)】担当記者 宮水さくら

南4局
ついに、運命の局がやってくる。
醍醐は3着目。3着と4着の点差はわずか、トップまで届くには倍満ツモが必要。
一見厳しい条件下、醍醐の手にドラドラ赤赤 倍満まで見える配牌が舞い降りた。

「ここで行くしかない」
そう言わんばかりに醍醐は一打一打、迷いなくメンゼンで手を進めていく。試合後のインタビューで彼は語った。
「最後までメンゼンでいきたかった」
その言葉どおり、王者らしい信念の麻雀を貫いた。

その間に、トップ目の園田が2フーロし、【1マン】【4マン】のシャンポン待ちテンパイ。

そして、醍醐に【4ピン】【7ピン】待ちのテンパイが入る。

リーチドラドラ赤赤、一発ツモ+裏1orツモ裏裏で倍満ツモ条件を満たす勝負手だ。

リーチ後の一発目
醍醐が【4ピン】をツモ! 裏ドラは【6ピン】

見事、裏1で倍満ツモの4000-8000を決めた。

劇的な大逆転に、観戦者全員が息を呑んだ。
静かな男が、静かなまま“雷鳴のようなアガリ”を決めてみせた。

試合後のインタビューにて醍醐は、
「アガった瞬間はめちゃくちゃ嬉しかったです」
言葉は控えめだが、その表情はどこか晴れやかだった。
「運気を変えるために、たくさん寝て、身体中に塩を塗ってサウナに入りました。邪気を払いました」
笑いを誘いながらも、その努力と祈りが実を結んだことを感じさせるコメントだった。

長いトンネルの先で、ようやく光をつかんだ王者。
このトップが、セガサミーフェニックスの反撃の狼煙となるだろう。
そして醍醐大という男の物語は、再びここから始まる。
眠りから目覚めた男が、再びMリーグの頂を目指す。

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