運命に抗う龍、仲林圭 確固たる意志を貫き、目覚めの時【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/17 第1試合】担当記者 後藤哲冶

ここ2試合アガリが無く、久しぶりのアガリとなった仲林が、ここから勢いに乗る。

東2局

先制リーチはトップ目の寿人。
カン【4ピン】を引き入れて【6マン】【9マン】待ちの先制リーチだ。

そこに仲林が追い付いた。
しかし待ちはカン【3ソウ】と悪く、役もリーチのみになってしまう。
これでは追いかけリーチは難しいか……

が、仲林はリーチを打った!
本来先手ではない愚形リーチのみというのは打たないがセオリーとされているが、もちろん仲林には理由がある。

【3ソウ】の場況が良い。【3ソウ】はリーチ者寿人の現物なのに打たれておらず、山に残っていそうに見えること。
そして仲林自身が【6ソウ】を既に切っており、宣言牌が【6ソウ】になっていない事から、【3ソウ】がリーチをしていない2人からも打たれやすいことが、リーチの選択を後押しした。
狙い通り、【3ソウ】は残り3枚全て山に残っていた。

これを一発でツモアガリ!
リーチ一発ツモの1300、2600。
テンパイをとりあえずとっていただけの打ち手であれば400、700になっており、その差は歴然。

更に迎えた東3局、親番で勝負手が入った仲林は、リーチの日向にドラ【7ソウ】を暗刻にして追っかけリーチ。
これを日向から捉えて12000のアガリ。
これで寿人の後ろにぴったりとくっつく2着目に。

そしてさらにこのリーチツモタンヤオピンフドラ1の4000オールをアガってついに寿人を逆転。
怒涛の4連続アガリで、ついにトップ目に立った。

しかし寿人も負けていない。
東3局2本場、日向からのリーチを受けた直後、この手で追っかけリーチ。
先行リーチの日向から討ち取って、12000のアガリ。
これで仲林に追いすがる。

東4局に、放銃とはなってしまったが、仲林らしいシーンがあった。
親番日向のリーチを受けて安全牌がない。
ここから、即座に切り出した【2マン】が。

日向に捕まってしまう。
リーチピンフで2900と打点こそ高くなかったが、あまりにも【2マン】を打つことに時間を使わなかったため、実況解説も気付くのが遅れていた。

候補は【9ピン】【2マン】
しかし【2マン】は日向から4巡目に先に【4マン】が切られていることもあり、これで愚形での当たる確率が激減。(そもそも【1マン】4枚見えでカン【2マン】の可能性は無い)
【3マン】【4マン】共に3枚見えているダブルワンチャンスということもあり、【8ピン】が3枚見えのワンチャンスである【9ピン】よりも安全度か高い。
【2マン】は自身で2枚保有しており、2巡しのげるのも大きい。
こうした4着目の親リーチには全員がオリに回ることが多く、2巡しのげることの価値も上昇している。

こういった思考を、仲林は同卓者が打牌をしているうちに考えている。
だからこそ、【2マン】を選ぶのも早かった。
悩んだから偉い、止まったから偉い、と言われることもあるが、むしろこうして精査を自分の手番が来る前に終えている事こそ、仲林の実力が垣間見えるのではないだろうか。

東4局1本場

仲林がこの【2マン】をもってきて時間を使う。
【4マン】を切ればくっつきテンパイの形だが、イーペーコー含みの【3マン】【6マン】は外したくない。
ソーズは【3ソウ】を切っていてフリテン含みなものの、ドラが【7ソウ】であるから切りにくい。
ピンズ部分は【2ピン】を切っていてフリテンなので、消去法で【4ピン】切りになるかと思われたが。

仲林は【8ソウ】を切った。
まず、ドラ色であるソーズの場況が悪いこと。
特に【5ソウ】【8ソウ】のノベタンは【5ソウ】が2枚見えていることからもかなり望みが薄い。
寿人が【赤5ピン】を切っており、いつリーチが来てもおかしくなさそうなこと。
その際に、【5ソウ】【8ソウ】は切りにくいが、【4ピン】【2マン】はまだ切りやすい。
寿人が【赤5ピン】を切っていて、【5ピン】が自身から3枚見えており、【4ピン】【7ピン】の場況は非常に良いのも大きい。

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