終点のスタジオに猛者集合 吉永和生、ハナ差の逃走劇 【麻雀最強戦2025 全国アマチュア最強位決定戦】観戦記【D卓】文:中野巧

 

南4局
焼肉定食。にハネマンをツモられ、追いかける立場で迎えたオーラス、親番。

まずまずの配牌も9巡目にテンパイ。ペン【7ピン】待ちで即リーチに。麻雀を打つとふわふわした表情が一変、5~6年前のゼンツしか知らなかった吉永に戻るようだ。結果は残念ながら流局。

この配牌でオタ風の【北】を残し、役牌の【白】から切り出す。こうすることで自分の手が早いとアピールできるだけでなく、打点が必要な場面なので、【白】を重ねてポンしたくないという意思を感じる。これも最近始めたという麻雀の勉強の成果か。

ただ、追いかける立場の焼肉定食。がこの手牌。【南】をポンできれば【4マン】【7マン】でテンパイと絶好の配牌をもらう。

しかし、吉永がメンタンピンで先制リーチ。これで焼肉定食。の手が止まった。

時間はかかったが、【3ソウ】をツモり逆転。しかしまだ油断ならない3400点差でオーラス続行。

僅差の試合で、テンパイ・ノーテンで決着がつく場面を何度もみてきた。しかし吉永は覚悟を決めてマンズの一色手に。この瞬間、上家が役満条件の山部だからこそ、山部の手が悪ければ自分にテンパイを入れさせてもう1局させるだろうと、文系と理系両方の学部を卒業した吉永のハイブリッドコンピュータが計算したのか。

吉永はマンズの一色手でテンパイするも、ここで運命の選択に迫られる。
【1マン】を切ればペン【3マン】【2マン】を切れば【1マン】【西】のシャンポン待ち、打点は変わらない。

選んだのはペン【3マン】。この理由を吉永に聞いた。
「山部さんが国士っぽいのと、焼肉さんも真ん中の牌を切っていたので、【1マン】【西】は持たれていると思って、【3マン】にしました。結果はたまたまです」

見事、アガれる方を選択した、吉永。満貫のツモアガリに。
これが決め手となり、D卓の優勝は吉永となった。

アンケートで吉永への投票は3%だったが、この”オカルトシステム”的には勝てると思っていたという。最後まで不思議な男だが、これからもいろんな考え、知識をハイブリッドし、麻雀を楽しんでほしい。

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