南4局
焼肉定食。にハネマンをツモられ、追いかける立場で迎えたオーラス、親番。
まずまずの配牌も9巡目にテンパイ。ペン
待ちで即リーチに。麻雀を打つとふわふわした表情が一変、5~6年前のゼンツしか知らなかった吉永に戻るようだ。結果は残念ながら流局。
この配牌でオタ風の
を残し、役牌の
から切り出す。こうすることで自分の手が早いとアピールできるだけでなく、打点が必要な場面なので、
を重ねてポンしたくないという意思を感じる。これも最近始めたという麻雀の勉強の成果か。
ただ、追いかける立場の焼肉定食。がこの手牌。
をポンできれば
–
でテンパイと絶好の配牌をもらう。
しかし、吉永がメンタンピンで先制リーチ。これで焼肉定食。の手が止まった。
時間はかかったが、
をツモり逆転。しかしまだ油断ならない3400点差でオーラス続行。
僅差の試合で、テンパイ・ノーテンで決着がつく場面を何度もみてきた。しかし吉永は覚悟を決めてマンズの一色手に。この瞬間、上家が役満条件の山部だからこそ、山部の手が悪ければ自分にテンパイを入れさせてもう1局させるだろうと、文系と理系両方の学部を卒業した吉永のハイブリッドコンピュータが計算したのか。
吉永はマンズの一色手でテンパイするも、ここで運命の選択に迫られる。
を切ればペン
、
を切れば![]()
のシャンポン待ち、打点は変わらない。
選んだのはペン
。この理由を吉永に聞いた。
「山部さんが国士っぽいのと、焼肉さんも真ん中の牌を切っていたので、
や
は持たれていると思って、
にしました。結果はたまたまです」
見事、アガれる方を選択した、吉永。満貫のツモアガリに。
これが決め手となり、D卓の優勝は吉永となった。
アンケートで吉永への投票は3%だったが、この”オカルトシステム”的には勝てると思っていたという。最後まで不思議な男だが、これからもいろんな考え、知識をハイブリッドし、麻雀を楽しんでほしい。

日本プロ麻雀連盟所属、プロ歴2年目。
英語、イタリア語が話せる。
麻雀プロの活動を中心にするため大企業を退職し、京都に家族を置いて上京。
現在は日本プロ麻雀連盟本部道場でスタッフとして在籍中。
いつかは書かれる側を夢みておもろい麻雀と服装を実践中。
X:@taknakano














