悔やまれるダマテン判断…
瀬戸熊直樹と長村大、
勝敗を分けた一撃の分岐点
【決勝卓】担当記者:masasio 2021年4月10日(土)
「一撃必殺」の名の通り、重厚なメンツの予選を勝ち上がってきたのは次の4名。
東家スタート
必殺技は親番での猛連荘「クマクマタイム」だ。
南家スタート
必殺技はもちろんリーチ・・・と言いたいところだが、リーチに至るまでの手順こそ村上の必殺技と言えるだろう。
西家スタート
長村大
長村にはあまり「一撃必殺」のイメージがない。
今回は「メンチンのバビィ」こと馬場裕一プロが体調不良で辞退したことを受け、代打での出場となった。
北家スタート
必殺技は豪快な手役狙いだ。
現役Mリーガーの瀬戸熊、村上に対するのは、先日プロ復帰を発表したばかりの長村と日本プロ麻雀連盟会長の森山という組み合わせになった。
東2局
東1局は長村が軽快に仕掛けて森山から3900点の出アガリで先攻。
親番・瀬戸熊のチャンス手をつぶして上々の立ち上がり。
次の東2局に大きく試合が動いた。
まずは東1局に3900点を失った森山。
2巡目でこの形から少考して打とした。
効率的にはや切りとしたいが、そこは「手役アーティスト」の異名をとる森山。
手役に絡まなそうなところを1枚外して様子を見た。
ツモが効いて123の三色と、マンズイッツーが見えるリャンシャンテンに。
めいっぱいに打っていればここでが2枚残っていることになるが、それよりもこの形の方が安全度も高くバランスはいいかもしれない。
さすがはアーティスト。うまく絵を描くものだ。
マンズが3メンチャンになるが、もバチコンと叩き切った。
ここは切りや中切りも有力だったが、場にピンズの下が全く切れておらず、ペンに自信がない状況。
ペンで勝負するのは三色になった時だけということだ。
アーティストが絵を完成させようとする中、瀬戸熊がリーチだ。
役牌の暗刻で、ペンチャンの部分がリャンメンに振り替わり、さらにドラ表示牌のを引き入れてのリーチ。
流れを重視する瀬戸熊ならずとも、アガれそうな気配が漂うリーチだ。
瀬戸熊のリーチを受けた同巡、長村もテンパイ。
メンチンのバビィならぬメンホンの長村だ。
長村はここからさして悩まずにを切ったが、これは現物のを切ったほうが良かったか。
を切っていれば、やのツモにも上手く対応することができる。
森山もイーシャンテンでプッシュしている中、アガったのは・・・
ダマテンを押し通した長村だ。
リーチの瀬戸熊から5200の出アガリ。
対局後、長村はこの局でリーチを打たなかったことを反省点に挙げていたが、難しい判断だったと思う。