茅森は「1日1ハネ」と言われているほど、高打点を作って押し返すのが得意な選手だ。
その選手が危険牌を切ってきたとなれば、かなりの大物手が入っていることは間違いない。
次巡、絶好の
を持ってきて、これまた誰にも全然通ってない
をたたっ切って追っかけリーチ。
そして直後、本田のもとに
が来て、一発ロン。
裏ドラも3枚乗って、なんと倍満のアガリとなった。
この時のフェニックスの楽屋の様子がこちら。
サッカー観戦のような盛り上がりだ。
【12/1(月) 第二試合 東4局】
茅森選手が裏三の見事な倍満のアガり🦅🔥#セガサミーフェニックス#wingth #茅森早香#天才すぎるオンナ雀士 pic.twitter.com/t4t7ZN2ENQ— セガサミーフェニックス🦅🔥 (@SEGASAMMY_PNX) December 1, 2025
「いてぇ〜〜」という声が聞こえてきそうな本田。
しかしここでただやられるような本田ではない。
南1局、東発と同じく軽い仕掛けだしの多井を横目に、8巡目にカン
待ちのリーチ。
が端牌なだけにシャンポンリーチも有力に見えるが、打点がないことから
をキャッチできるカン
待ちに決めた。
これが大成功して一発ツモのマンガンに。
本田にわずかに交わされた堀は最後の親番。安定感のある仕掛けでタンヤオ赤、高目ドラ1のテンパイを入れる。
ここに茅森が、リーチ赤ドラ1のカン
でテンパイ。
これを、カンチャン待ちながら即リーチでぶつけにいった。
堀は二副露しておりテンパイは濃厚だ。茅森は抜けたトップ目。多井との点差も12400点ある。ピンズの4連形から好形変化を求めてダマテンにする選択肢もあっただろう。
しかし、自身の親がまだ残っていることと、この点差のまま手をこまねいていてもトップは盤石ではないこと、何より今、フェニックスには勢いがあることが追い風になったのではないだろうか。
結果は堀の一発キャッチでマンガンの出アガリとなった。
このアガリが決定打となり、茅森は個人2勝目となる2連勝。
フェニックスはトータル▲80.8ptの5位にまでランクアップした。
本田や堀、多井と、茅森の命運をわけたのは何だったのだろう。
もちろん運、牌のめぐり合わせと言ってしまえばそれまでだが、言ってしまえばそれは、「チームの勢い」に他ならないのではないだろうか。
先に載せた楽屋の様子を今一度ごらんいただきたい。
茅森がアガった瞬間、スタッフも選手も両手を上げ、言葉にならない雄叫びが楽屋を満たしていた。
もちろん、どのチームも楽屋は「熱狂」しているだろう。フェニックスだけ盛り上がっているから勝っていると言いたいのではない。
ただ、人知を超えた概念を引き寄せるのは、この「熱狂」なのではないかと私は思う。
実際に、今回の解説やインタビューは「ゲン担ぎ」の話が多かった。茅森プロも積極的にゲンを担いで、モチベーションや士気をあげているという。
ゲンを担ぐ行動の内容自体が、何かを高めているということはないかもしれない。だが、確実に言えるのは、ゲンを担いでいる間、その人は、チームや試合のことを想って行動している。その想いが、チームや自身の雰囲気を整えて、勢いを呼び込むのかもしれない。
フェニックスがどこまで登り詰めるのか。あるいは、他のチームが奮起し、飛翔するのか。まだまだ目が離せないレギュラーシーズンの中盤戦。次の試合が楽しみだ。

生沼紗織 おいぬまさおり
最高位戦日本プロ麻雀協会44期前期入会。夜中に天鳳を開くとだいたい打っている。wlm(ウルム)という麻雀ブランドで麻雀グッズを販売中。
【https://wlm.life/】














