
迎えた1本場、この手牌は手拍子で字牌を切ってしまいそうな形だったが、永井は
切りを選択。タンヤオ、役牌の重なり、マンズの一通まで見据えた進行を取る。
三浦から切られた
を、
を含む456でチー。

さらに
にも仕掛けを入れ、マンズ1〜7、ピンズ4〜7すべてが受け入れになる広いイーシャンテンに。タンヤオでの仕掛けのため
はテンパイにはなるが役が付かない。
ドラをアンコにしていた瀬戸熊に赤でカン
が埋まり、ペン
待ちで先制リーチ。
その後も
単騎で押し続け、ついに瀬戸熊が
を掴む。
永井のアガリはタンヤオ・赤赤の3900は4200。
最後は自らのアガリでトップを決め切った。
試合後のインタビューで永井は、
「風林火山にとって12月は“魔の12月”と呼ばれるほど、毎年苦しい月になる。この試合でトップを取れてほっとしています」
と、安堵の表情で語った。
新星・永井孝典――。
その攻めの姿勢、その肝の据わった押し引きが、卓上の空気を変え、チームの流れを変え、そしてリーグの景色までも変えつつある。
このトップによって今季のトップ率はついに50%を超え、驚異的な数字に到達した。この勢いはどこまで続くのか。今後はMリーグの新記録樹立にまで期待がかかる存在となった。
魔の12月を打ち破る先陣を切った男の背中は、これからさらに大きな存在感を放っていくはずだ。

2025年3月に大学を卒業後、麻雀店に勤務しながら麻雀YouTuberとして活動中。フリー雀荘での実戦動画を中心に配信し、noteではコラムや動画の裏側を発信。麻雀をもっと身近に、もっと楽しく届けることを目指している。















