「競馬で100万円負け⁉︎
多井プロ流、仕事の請け方」
多井隆晴プロ
特別ロングインタビュー
【第2回/全5回】記事:東川亮
全5回でお届けする、多井隆晴プロ、ロングインタビュー企画。第2回では、一部メディアで話題になった「競馬で100万円負け」エピソードの舞台裏や、年間500本以上と言われる仕事を請ける際の姿勢などについて伺った。
競馬で100万以上負けた結果
ーー競馬番組や競輪番組で賭けているお金は、全部自腹ですか。
多井「自腹です。競馬では「1日で100万負けた」ってニュースになりましたよ。番組には数百人の芸能人や大物の方が出ていて、一番勝った人で数百万、負けた人で100万負けということだったので、どちらかの記録を作りたいと思っていたんです。でも、途中まで結構中途半端に当たっちゃって、チャラくらいになっていたので、「これじゃだめだ」と思って、最後の2レースで70万、もっとかな、めちゃくちゃ賭けてやりました。
でも、それで「麻雀プロってすごいな、面白いな」となって、また番組に呼んでいただけることになりました。それと、グリーンチャンネルの一番偉い方が記念品を持って挨拶に来てくださって、「過去最高に面白かったです」とおっしゃっていただけました。伝説を作ってやりましたよ!」
ーーそれにしても、100万円は痛い。
多井「たしかに痛いですよ。でも、先行投資です。そのおかげで次のお仕事にもつながりましたから。なんか、一番面白い回だったっていうことで、殿堂入りしているらしいですよ、僕が出た回が」
藤田さんはすべて任せてくれている
ーー競馬や競輪など他のジャンルの番組に出ることについては、藤田晋さん(Mリーグチェアマン・渋谷Abemas監督)からの要望というのもあるのでしょうか。
多井「藤田さんから頼まれた仕事はないですね。全部任せてもらっています。ユニフォームでいろいろな番組に出るのもそうですね。出演に関して、特に許可も取っていないですし、結構信頼されていると思うので、やりやすいと思います」
ーー藤田さんも外の世界に麻雀を広げていきたい考えをお持ちだと思いますが、それを多井プロがやっていらっしゃると。
多井「僕も、麻雀ファン以外の人に知ってもらわないと困りますからね。芸能事務所の人と会ったときなんかは、お仕事をもらえるようお願いしたりしています。ただ、もし間違った方向に行っているならちゃんと教えてほしいですけどね」
ギャラではなく、これまでのつながりを大事にしたい
ーー聞きにくい話ですが、麻雀以外のお仕事のギャラはどんな感じなのでしょうか。
多井「麻雀よりいいギャラがいただけるお仕事も、中にはあります。ただ、正直に言うとどの仕事のギャラがいくらかというのは、僕もあまり把握はしていないんですよ。おかげさまで、お金に苦労しないくらいのお仕事はいただけていますけど、僕にとってはギャラの高い安いに関係なく、どの仕事も大事だと思っています」
ーーかなり多忙にされていますが、たとえば芸能プロダクションに所属する、ということは考えないのでしょうか。
多井「そういうお話をいただいたことはあります。でも、そうするとギャラによって請けられない仕事が出てきてしまうんです。大手だとなおさらですよね。僕は竹書房さんやスリアロチャンネルさんなんかには昔からずっとお世話になってきていますけど、ギャラが理由でその仕事を請けられなくなる、というのはお互いにとってよくないと思っていますから。
僕は、片チン(漫画家の片山まさゆき先生)から声をかけてもらった動画のお仕事などは、全部ノーギャラでやっています。お世話になったので、お金は気にしていないんですよ。もし将来的に利益が出るようになったら、そのときにください、今はいいです、って話しています」
第3回へつづく