渡辺太、冴え渡るゲームメイク【麻雀最強戦2025 ファイナル1st】観戦記【A卓】文:喜多剛士

渡辺太

冴え渡るゲームメイク

【A卓】担当記者:喜多剛士 2025年12月13日(土)

最強戦2025ファイナル1stステージA卓

麻雀最強戦2025ファイナルが、いよいよ幕を開ける。 各地の予選を勝ち抜いた16名

その顔ぶれは、実力と実績を兼ね備えた猛者たちばかり。

この舞台に立てること自体が、麻雀打ちにとっての誇り。

だが、立つからには勝ちたい。勝ちたいからこそ、譲れない。

そんな熱い思いが交差する、運命の一戦が始まる。

『Mリーガ最強決定戦』 渡辺 太

予選ではリードしていた本田朋広を、大連荘で一気にまくる爆発力を見せつけた。 「結果を出すことが評価されるべき世界」と語るその姿勢は、ネット麻雀・天鳳で頂点に立った実力者らしい一言。 勝負の世界に生きる者としての覚悟がにじむ。

『激突タイトルホルダー』 田村 洸

今年タイトルを獲得した実力者たちがひしめく予選を勝ち抜いた。予選の中で、最も厳しく、最も強い相手との戦いだったと言っても過言ではない。 所属する麻将連合からは例年より多くの出場者がいたが、ファイナルに残ったのは田村ただ一人。 団体の期待を背負い、静かに闘志を燃やす。

『最強夫婦決戦』 橘 哲也

予選では、妻・浅見真紀との直接対決を制してファイナル進出。入場時には「フェニックスポーズ」と「マッスルポーズ」を披露。それは、現在病床に伏す同団体の仲間・浅井堂岐へのエールだった。 結果を届ける――その強い想いを胸に、橘は静かに卓へと向かう。

『政権抗争勃発』滝沢和典

予選開幕戦で勝ち上がった滝沢。 筆者・喜多へ親番の国士無双を決めた後は、危なげない進行でファイナルへ。 「ファイナルでは“つや姫”をもらう」と語っていたが、その言葉通りトップ通過を狙うのか。静かなる闘志が、卓上に火を灯す。

 

東1局

橘が2巡目に早くもリャンシャンテン。 手牌にはドラの【2ソウ】を抱え、くっつきの変化を見ながらの構え。

橘はドラの【2ソウ】を残してくっつきを待っていたがツモってきたのは【9ソウ】

雀頭候補の【6マン】が変化すれば【9ソウ】雀頭に振り替えて567の三色も見える。 受け入れを最大に取るべく、ここでドラ【2ソウ】をあっさりと切り飛ばした。

橘は、狙い通り【7マン】を引き入れてリャンメン固定の打【6マン】【8ソウ】を切って完全イーシャンテンにし、【9ソウ】【6マン】引きでテンパイを取る手順もあったが、ドラ【2ソウ】を早々に切ってリーチのみのテンパイを目指すより、【8ソウ】【5ソウ】の重なりによるタンヤオ変化で打点上昇を狙った一打。 一発勝負の舞台で、高打点が見えるチャンスをリーチのみで終わらせたくはない。

しかし先制したのは田村。 【4マン】を引き入れて【6ソウ】【9ソウ】待ちでリーチをかける。

続いて滝沢も追いつき、【6マン】【9マン】待ちでリーチ。 場は一気に二軒リーチの応酬へ。

橘はピンフ・三色のイーシャンテンから【7ソウ】を切って撤退。

2軒リーチに現物が尽きた橘。端の【9ソウ】で2巡を凌ぐ選択。

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