「しゃおら」の夜──高宮まり、ボディー麻雀を継ぐ──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/19 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

なんと小林はリーチ者の多井の動向はもちろん、その視線の先はトップ目の三浦へ。そこまで見据えた冷静な打ち回しをしていたのであった。

とにかく小林は、この「冷静さ」が似合う。

ちなみに東3局

ピンフのみながら、積極的にリーチ攻撃に出た高宮に対し、小林が放銃となった局。

リーチ・ピンフの2,000点… ではなく、裏!裏!の8,000点。心にグサッとくる失点だったが

小林
(リーチ・ピンフ・ドラ・ドラか。裏ドラはどっちだろう… まぁ、どっちでも良いか。)

と思っていたらしい。冷静すぎる(笑)

こうして、三浦の知らないところで、三者それぞれの「ファインプレー」が積み重なっていくのであった。

だが三浦も、けして負けてはいない。

それは、東4局

あの鉄壁の多井から、【發】トイトイ6,400点を決めた場面だ。

始まりは、まだ手番の来ない1巡目…

この【南】ポン!

よく見てほしい。トイツが5つ。
つまり、七対子のイーシャンテンからの発進である。

三浦
「2や8の数牌に字牌と比較的ポンしやすい手材料。そして仕掛けた後も、【白】【中】の重なりから跳満・倍満も見えてくる。鳴いちゃった方が、打点が上がっていくかなーという感覚でしたね。」

理牌してる最中に、瞬時に未来予想図を構築。そして、トイメンから出たオタ風の牌に反応。

果たして、これに声の出る者は、どれほどいるのだろうか。

三連続ポンの間には、一度も手牌の入れ替えは起きてはいない。

初手の【7ピン】も合わさり、さすがの多井でもってしても、この【8ピン】放銃を避けるのは困難であった。

多井
「もちろん七対子のイーシャンテンから鳴いている場合なら、【8ピン】はシャンポンで当たりますよ。でも、配牌から何も変化が無いと読みようが無いです!(笑)」

小林
「(三浦さん)良く声が出たなぁーと。あれはポンした方が良いですね。」

それは、まさに「実戦5万半荘の感覚派」の真骨頂。

その感覚は、偶然のひらめきじゃない。膨大な場数が、理牌時の一瞬で声を出させる。鳴いた方が高くなる、と身体が知っているからだ。

惜しくもトップまでとはいかなかったが、三浦の浮上はまもなく訪れるだろう。

そう思わせる一戦であった。

一方で、この試合トップを獲得したのは

高宮まり

「私も仕掛ける方なんですけど、今日は仕掛けられた上家(三浦さん)の嫌さを味わいましたね(笑)。オーラスはリーチがきてドキドキしてましたが、テンパイまで来れたので、あとは最後まで押すと決めていました!」

トップの決め手となったのは、三浦の「感覚」とは似て非なるもの。

そう、それは「ボディー麻雀」だ!

東1局

親番で、この超勝負手。巡目も、まだまだ残されていたように見えたが

なんと【8ピン】をリャンメンでチー!

ハネマン級も見えていたが、2,900点のテンパイを取ったのである。

高宮
「あの時は、私… 三番手だから。もう鳴かないと! って。小林さんも、ドラの【1ソウ】を手の内に忍ばせて高そうな雰囲気があったので!!」

実際に、下家の三浦がテンパイ。

多井もテンパイだ!

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