不惑の前チャンプ石井一馬、最高位戦の競演を制す【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/24 第2試合】担当記者 カイエ

セガサミーフェニックスはボーダーから大きく離れた、現在4位。下より上が近く、レギュラー突破は安泰に近いポジション。
渋谷ABEMASがそのボーダー下にちょうど位置し、雷電と大接戦を繰り広げる渦中にある。
ジェッツとサクラナイツは相当に厳しく、ラスはもちろん2着や3着を重ねているだけでは、ただ徒に試合数を消化するだけで、ゴール前で差し切るのは難しそうだ。
つまり、セガ=醍醐にしてみれば4着でポイントを大きく減らしさえしなければ、3着で試合を消化できても良し。2着なら御の字で、無理にトップを狙うまでもない。

そして醍醐のシビアなポンテンにより、

本来、一馬のツモ筋にあった【赤5ピン】が流れた。

この手に一番欲しい牌は、満場一致で【赤5ピン】
チーム状況による醍醐の判断が運命を歪めたか。

一馬もあの好配牌からすれば少し時間がかかり、かつ打点も安くなってしまい不満だが、何とか醍醐に追いつき「リーチ」と言えた。

醍醐も通っていない【5マン】を切って、親リーチに対してプッシュ。
残り枚数は不利だが、勝負所。

しかし次巡、通っていない【4マン】を持ってくる。
ここはやむを得ず、前巡に自身で通した【5マン】を切ってリャンメン→シャンポンへ。
普通はトーンダウンの待ち変えだが、

ま、枚数が増えとる!(1枚→3枚)

と叫んだ直後、ねっとりとツモ。
フェニックスの「アヤっ牌」として有名な【7マン】が、そこにはいた。
300・500が実に大きい。

南4局

依然、1000・2000が最高打点の半荘もオーラスへ。

ラスでは終われない日向からドラの【2ピン】をポンできた一馬が、まずはテンパイ一番乗り。
むろん、満貫手はトップ条件を十分に満たしている。

しかし一馬の待ちであるカン【7マン】は山にゼロ!
間隙を縫って醍醐、345が見えるイーシャンテンはハネ満ツモでトップまで見える勝負手に。
そして、このとき醍醐が押した【5ソウ】が、ある男の運命を歪める。

トップ目でラス親を迎えていた渋川だ。

サクラナイツのポイント状況的に、トップを持ち帰ることはマスト。
できれば素点も大きく稼ぎたい。
オーラスを、2着一馬と4000点以上差をつけて迎えたことは、だから渋川にとって非常に難しい判断を迫らされたのだった。

本来であれば、配牌から降りて、伏せればトップ。
しかし、素点を増やしての王様タイム突入にも価値がある状況。

その葛藤の狭間、渋川の捨て牌1段目には、字や端の安牌候補が並んでいる。
だが一馬のドラポンが入って以降は、自身の手を壊し、オリに回らされている。

そしていま、流局へと到る、捨て牌3段目に差し掛かろうとしている状況で、上家に座るライバル一馬への安牌は、足りていない。

渋川の選択は、苦渋の【8ソウ】トイツ落とし。いま醍醐が切った【5ソウ】の筋として、合わせた格好だ。安牌の水増しというか、終盤の入口へかけてのこの局面で2巡の安全を前借りした。

一馬「ポン」

すでに場に2枚切れているカン【7マン】からの待ち変えポンは当然の選択だが、Mリーグ参戦1年目にして、常に苦しい立場に追い込まれている新チームのドラ1エースとして、ここでポンの声が出ることは、感動的でさえある、集中力と反応の良さだ。

1度は単騎選択の裏目を引かされ「終わった」と絶望した一馬だったが、

「もう終わったわ」の絶望顔がこちら

結局アガリに導いてくれたのは、麻雀の神様からのバースデイ・サプライズだったか。
タンヤオ・ドラ3の満貫ツモは、むろんこの試合の最高打点。

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