熱論!Mリーグ【Mon】
正確無比な忍びの二刺し!
藤崎智が忍者たる理由
文・東川亮【月曜担当ライター】2020年1月13日
Kさん「最近どうですか、東川さん。仕事の調子は」
東川「おかげさまでお仕事をいただけていて、それなりに忙しくさせてもらってます。最近は麻雀の原稿を書くようになったんですよ」
Kさん「え、東川さん麻雀やるんですか?僕もやるんですよー。僕がやるのは『麻雀格闘倶楽部』くらいですけどね。あれ、ランク上げるの大変でねー」
東川「Kさん麻雀好きなんですね。今、Mリーグってやっているのご存じです?大会社がスポンサーになってプロ雀士と契約してチーム作って戦うっていう。僕、あれの記事とか書く仕事してるんです」
Kさん「ああ、やってるのは知ってますよ。たまにネットニュースで出てますよね、萩原聖人とか、かわいい女の子とか」
東川「良かったら一度見てみてくださいよ。あと、僕の記事も」
Kさん「AbemaTVでやってるんですよね。リアルタイムで見られるかは分からないけど、気にしてみますわー」
筆者はキンマwebの観戦記を書かせていただいているが、明日をも知れぬフリーランスとして、他にもいろいろな仕事をして日々を過ごしている。
上記のやりとりは、昨年末にとある飲食系クライアントの元を取材で訪れた際に、実際に交わしたものである。
Mリーグで麻雀にはまった、という人も数多くいるかとは思うが、その一方で、Mリーグを視聴していない潜在的な麻雀ファンというのもまだまだたくさん存在していると思う。
「大和証券Mリーグ」では、ここからセミファイナルへの生き残りをかけた争いが激しさを増していく中で、さまざまなドラマが生まれてくるはずだ。
もしMリーグを誰かに勧めるということであれば、今がチャンス。
藤田晋チェアマンが今シーズン開幕前に掲げた
「この熱狂を外へ」
を、個人的にも実践していきたいと思っている。
さて、ここで話題に出た『麻雀格闘倶楽部』は、Mリーグ『KONAMI麻雀格闘倶楽部』のルーツとなった、KONAMIが誇るオンライン対戦型麻雀ゲームである。
そのKONAMI麻雀格闘倶楽部、年が明けてからの4戦では3着4着4着2着とどうにも波に乗りきれないところがあったが、1/13の初戦ではエース・佐々木寿人が耐えに耐えての逆転劇で2020年のチーム初トップを獲得した。
勝利のバトンを寿人から受け取ったのは、今シーズンのMリーグで未だ4着のない藤崎智。
前のめりに戦う選手が多いKONAMI麻雀格闘倶楽部において、その冷静沈着な打ち回しは、チームにいいアクセントをもたらしている。
2戦目
南家:小林剛(U-NEXT Pirates)
藤崎といえば、「忍者」のニックネームが有名である。
忍者は古来の日本において、諜報や暗殺など裏仕事を手掛けてきた存在。
密かに攻撃力のある手を入れて好機をうかがうスタイル、そして失敗は許されない忍者さながらの守備力が、このニックネームの由来だ。
東2局
ここでは親番の小林が先制のカン待ちリーチを打った。
直後、藤崎も待ちで追いつく。
が、出ていく牌はドラの、無スジであり、親リーチに一発で打つには厳しすぎる牌だ。
が、藤崎はこのを打った。
「寿人が初戦でトップを取ってくれたからこの牌を押せた」
ということだが、普通はポイントを稼いでくれたらそれを守りたくなるものだ。
時にはリスクを冒してでも、任務遂行の為に前に出る。
その忍者の押しに、ツモが呼応した。
ソーズのメンツに赤を引き、ここでリーチを選択。
よく言われることだが、ピンフのみの手をリーチした場合、基本的には出アガリ1000点が2000点になるだけだ。
しかし2000点の手であれば、リーチをすることで打点が出アガリ3900点になる上、裏ドラが1枚絡めば満貫になる。
リーチによる打点上昇効率が飛躍的にアップするのだ。
リスクに伴うリターンが増したことも、このリーチを決断する要因になっただろう。
この待ちを、なんと藤崎は一発でツモ!
しかもツモったが裏ドラになり、1000点の手がわずか2巡で3000-6000のハネ満にまで、文字通り「ハネ上がった」。
一発裏は運によるところが大きいが、リスクを負いながらも軽々にリーチと行かなかった判断が最高の結果を生んだ形だ。結果論で言うなら、ドラ切りリーチであればと一発がつかず、この手は1300-2600にしかなっていなかった。
ここで解説の土田浩翔プロが、驚きのデータを紹介してくれた。
今シーズンの藤崎のリーチ成功率が、