変わったのはMリーグだけではない。麻雀そのもの自体もAIやプレイヤーのレベルの上達により、ゲームとしての研究のされ方がますます深堀りされてきたといえよう。
例えば阿久津が親番でもらったこの手。
一昔前であれば即リーチが基本であったし、そうしなければ弱い、数字を知らないとまでされるような、そんな風潮が確かにあった。
今でもこの即リーチが弱いとまでは言い切れないが、ゆったりとカンチャンを払うゆとりを持った進行が評価される時代となってきた。
当の阿久津本人も即リーチを打つ方の人間ではあったが、昨今の研究を基に外す余裕も十分にあると踏んでのこの進行。
これはあまりにもうまくいった6000オールではあるが、この巡目であれば外したところでどうせ聴牌し返すし、聴牌した時の良形率やツモ率もカン
とは段違いだろう。
手組研究は最新のものを用いる一方で、読みのほうには経験則や蓄積が大きく響いてくる。
54000持ちで迎えた南場、阿久津は三面張両面のイーシャンテンを取らなかった。
理由は当然河にある。上家の滝沢が
チーして打
の濃い捨て牌。
の対子落としも入っており、ターツが手の中にあふれかえっているっぽい中、切る![]()
は単純に無筋なだけでなく、チャンタドラドラや三色ドラドラといった手役がらみにも危険な牌。下家の親の内川が仕掛けて応戦していることも含めて、ここは固く守りに行った。
実際滝沢は下の三色がらみを見据えた仕掛けであり、阿久津の見立ては正しかったといえよう。
「いい麻雀を打つことが、来期もサクラナイツを応援しようと思ってもらえる大事なことだと思っているので、残り二戦もそしてこれからもサクラナイツを応援していただけたら嬉しいです。」
若き獅子の眼は現在を分析し、そして未来を見据える鋭い眼差し。
来年もサクラは咲く、その双眸は確かにその時を捉えている。

日本プロ麻雀連盟所属・35期後期生。麻雀と着物と民俗学が大好きなプロ雀士。













