勝ち切る意思が導いた一勝
下石戟、BEASTに
待望のファイナル初トップ
文・宮水さくら【木曜担当ライター】2026年5月7日
第1試合
東家:下石戟(BEAST X)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:二階堂亜樹(EX風林火山)
北家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
注目は、BEAST Xの下石戟だ。
現在行われているファイナルシリーズもこの試合で5戦目。BEAST Xは現在4位。ここまでチームとしてトップはまだ0回と苦しい展開が続く中で、そろそろトップが欲しい状況だ。
そんな中で期待が集まるのが、レギュラーシーズンMVPを獲得した下石である。今シーズンは持ち前の押し引きと勝負強さで数々のトップを積み重ね、BEAST Xをここまで押し上げてきた立役者と言っていい存在だ。
しかし、前回のファイナルシリーズ登板では、苦しい展開の中で痛恨の箱下ラス。普段の下石らしさを出し切れないまま終わった一戦となっただけに、今回はその悔しさを晴らしたい対局でもある。
また、BEAST Xにとって今シーズンは、チーム史上初優勝がかかった特別なシーズンでもある。ここまで積み上げてきた戦いを本物にするためにも、ファイナルの一戦一戦が非常に重要になってくる。
レギュラーシーズンMVPとしての意地、そしてチーム初優勝への期待。
下石がこの舞台でどのような麻雀を見せるのか、注目の一戦となる。
東2局1本場
下石の手牌に分岐が訪れる。
をツモり、ドラの
を切るか
を切るか。
が3枚見えていることからドラ切りもある手牌だったが、下石はここで
切りを選択した。次巡に
をツモり、
を切ればカン
待ちのテンパイを取れる。
タンヤオドラドラの役ありテンパイになるため、
切りでヤミテンに構える選択も十分にありそうな場面だ。しかし、ここで下石はテンパイを外す
切りを選択。この打牌には思わず実況・解説陣も驚きを隠せずにいた。
この
切りは、
を引けばドラを使い切りつつ三色まで見える形になる。最大打点を見据えたテンパイ外しだったのだろう。
その後、
をツモり再びテンパイ。
今度は一盃口もついたカン
待ちとなった。自身の河に
、
が切れていることで待ちが中筋になっており、下石はリーチを選択する。
この待ちは山に1枚。数巡後、その
を下石自身がツモリ、リーチツモタンヤオ一盃口ドラ赤の3000-6000、1本場で3100-6100のアガリを決めた。
切りから始まった下石の選択が、見事に結果へとつながった形だ。先に
を切っていたことで
待ちが盲点になりやすかったのでは、という解説もあり、リーチ判断を後押しした要因の一つだったのかもしれない。
南1局
46000点持ちのトップ目で迎えた下石の親番。
亜樹が1枚目の発を仕掛ける。
その後、下石がピンフ赤の![]()
待ちでテンパイ。
しかし、この![]()
待ちはすでに
が2枚切られており、見た目では
が残っていない状況だった。役ありテンパイでもあるため、一度ヤミテンに構えて手変わりを待つ選択も考えられる。
それでも下石はリーチを選択した。
親リーチを打つことで、仕掛けを入れている亜樹や他家にプレッシャーをかけられること、さらにツモアガリできればトップを大きく引き寄せられることなどを考えての判断だったのだろう。
実際、このリーチによってピンズのホンイツに向かっていた亜樹はマンズを切れなくなり、回る選択を取らされていた。
今回は下石、亜樹の2人テンパイで流局。
アガリには結び付かなかったものの、トップを取り切りにいく下石の強気な姿勢が印象に残る一局となった。
試合後のインタビューで下石は、このリーチについて「
引きの![]()
![]()
待ちや、
を引いてのカン
待ちなどの手変わりもありましたが、2900の出アガリや1300オールでは不服だったのでリーチに行きました」と語っていた。
この手を“決め手”にしたい。そんな下石の強い意志が伝わってくるリーチだった。
南1局1本場
またしても親の下石にチャンス手が訪れる。役牌の発がアンコの手牌に
をツモり、カン
待ちでテンパイ。
今回も役あり愚形のテンパイではあるが、下石は迷わずリーチを選択した。親の先制リーチという強みを最大限に活かす選択であり、この局でも下石の強気な姿勢が見られる。
しかし今回は、4着目の萩原に勝負手が入っていた。ドラの
をアンコにし、ドラ3の攻めたい手牌となる。














