16戦の空白を越えて HIRO柴田 待望の今季初トップ【Mリーグ2026-27 観戦記 10/8 第1試合(麻雀2ch)】担当記者 喜多剛士

そんな中、降りていた柴田にテンパイが入る。【2ソウ】または【7ソウ】切りでテンパイとなるが、【2ソウ】も【7ソウ】も二軒リーチに対する危険牌だ。

テンパイを取るのであれば、【9ソウ】が4枚、【8ソウ】が3枚見えており、同じ無スジでも【2ソウ】より【7ソウ】の方が愚形に放銃する可能性が低い。また、現物は3枚残っているため、このまま降り切ることも十分可能な状況だった。

それでも柴田としては、少しでも優位な状況でオーラスを迎えたいという思いがあったのかもしれない。柴田は【7ソウ】を切り、勝負を選択した。

すると松本と黒沢の二人からロンの声。頭ハネで松本のアガリとなる。裏ドラはなく1300点の放銃となった。

結果だけを見れば放銃だが、仮に【2ソウ】を切って回避して黒沢がツモアガリをしたらトップ争いはさらに厳しくなっていた可能性がある。1300点の失点で親番が流れたことで、まだオーラスに逆転のチャンスは残された。自身のアガリこそならなかったものの、最悪の結果は避けられたと言えるだろう。

 

南4局

柴田はトップの黒沢まで2300点差。【赤5マン】とドラの【4ピン】を使い切れば逆転条件を満たせるだけに、ここでの【5ピン】引きは嬉しいリャンメンターツとなった。

さらに柴田は【白】をポン。リャンメンが3つ残る2シャンテンとなり、逆転へ向けて手を進めていく。

そして最後は黒沢から【9ソウ】が放たれる。【白】・ドラ・赤の3900点。

柴田が見事に黒沢を逆転してトップで終局となった。

瑞原は先制テンパイを入れる場面が何度もあったものの、あと一歩アガリに届かなかった。それでも持ち味である攻撃的なリーチ判断を最後まで貫いた姿勢は見事だった。結果には結び付かなかったが、瑞原らしい“ゴリラ麻雀”が炸裂する日もそう遠くないだろう。

黒沢は南1局の4000オールでリードを奪っていたが、最後は柴田への放銃で3着。リーチという選択をしていれば違う結末もあったかもしれないだけに、悔しさの残る一戦となった。

松本は接戦でアガリを重ね苦しい局面をしのぎながら最後までトップ争いを演じたものの、東4局の柴田への放銃が響き、あと一歩届かなかった。

そしてトップを勝ち取ったのは柴田。前シーズンから16戦続いていたトップなしを断ち切る、待望の今シーズン初トップとなった。

この間には見逃しなどで物議を醸す場面もあり、本人の中にも少なからず迷いや葛藤があったのかもしれない。

長いトンネルを抜けるように手にしたこのトップは、ただの1勝ではない。東4局の我慢のダマテン、南1局2本場の冷静なテンパイ取り、そしてオーラスの逆転手。苦しい時間の中でも最善を積み重ねた結果が、このトップにつながった。

我慢を重ね、苦しい時間を耐え続けたHIRO柴田がようやくつかんだ復活への第一歩。16戦の空白を埋める反撃は、ここから始まるのかもしれない。

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