月日は百代の過客にして
〜行きかう牌に選ばれた下石戟
【決勝卓】担当記者:千嶋辰治 2026年10月11日(日)
本日の「団体分裂合戦」は、黒木真生プロが3月に上梓された
「麻雀プロ団体 分裂と闘争の歴史」
にインスパイアされたカテゴリだと私は思った。
詳しくは本書に譲るが、かつては連盟とRMUそれぞれの打ち手が白日の下で相まみえるなど、想像もできなかった時期があった。
また、団体を移籍して行った者と元の団体の打ち手が再び打ち合うなどということも長く許されなかった期間があることを、今の若い方はご存知ないと思う。
しかし時が流れた結果、このようなマッチメイクが実現した。
今日の戦いは、この世界を長く見つめている者ほど感慨深いものとなったはずだ。
・精彩を欠く瀬戸熊を仕留めた下石の一撃
最強位2連覇の偉業を成し遂げた男、瀬戸熊直樹。
半荘1回トップ取りのスーパースプリント戦における「勝ちの味」をよく知る瀬戸熊。
序盤の立ち上がりを追う。
東1局ドラ
。
起親の瀬戸熊が8巡目にテンパイ。
4巡目に
を離しているが、さて?
瀬戸熊は打
でヤミテン。
ドラを含むマンズの伸びが嬉しいが、この打牌選択が今日の瀬戸熊の分水嶺だった。
直後に河野高志からリーチの声。
河野のロン牌を先に逃していることから、この瞬間において打
は好手に思われた。
だが。
リーチの一発目にツモったのは
。
もしもソーズを下から順番に払っていたら1,300オールのツモアガリとなっていた。
瀬戸熊は、お帰りの
を抱いてカン
にてリーチと出たが、
アガリ逃しは許されず、ここは河野の勝ち。
リーチツモドラの1,000-2,000で先制。
続く東2局、ドラは
。
8巡目、瀬戸熊の手牌。カン
を引き入れてイーシャンテンになった。
焦点はドラ表示牌のカンチャン待ちか、あるいは仕掛けも可能なカン
か。
結局、瀬戸熊はドラの
に手をかけて1枚見えているカン
を嫌ったが、門前志向が強い瀬戸熊としては仕掛けてタンヤオの1,000点で終わらせたかったわけではなかっただろう。
あくまで主導権取りに燃える瀬戸熊、愚形をいとわずリーチを放つ。
しかし、一人旅とはならない。
やってきたのは下石戟。
瀬戸熊の現物である
に
がくっついてターツ選択となったが、ここは
のトイツを落としてイーシャンテン維持。
すると次巡、
テンパイが入った下石は、瀬戸熊が嫌ったカン
で追っかけリーチ。
「指運」に恵まれなかった瀬戸熊、嫌った
で下石に放銃。
裏ドラが1枚乗って5,200点の失点と精彩を欠いた。
東4局1本場で満貫をツモり失地を回復したものの、
続く南1局で再び下石へ3,900の放銃と味が悪い。
逆に下石は瀬戸熊から要所でアガリを拾う内容の良さが際立ち、局面を優位に進めていく。











