舐めとんのか!
「冗談冗談。山崎さん、狭心症を直したければ、禁煙して運動をすることです」
さっそくアドバイスどおりにしたところ、幸運にも1年ほどで完治。
禁煙はそれまでに何回か失敗していたんですが、このアドバイスとある禁煙本のおかげで、成功しました。
フリー雀荘(古くはバラ打ち)には色んなギャンブラーが集まって来ます。
通称おじいちゃん、と呼ばれてた、すごく元気なおじいちゃんもその一人。
(すみません、いいかげんなナニで)
「こ、これはリーチだな」
小柄で吃音気味のおじいちゃんは、週末だけ現れて時には2日連続の徹夜麻雀を楽しんでおりました。
「きっと、どこかの金持ちのご隠居さんなんだろう」
その当時は、コンビニエンス・ストアやファミリー・レストランが大量に出店をし始めた時代で、それらにビルや土地を提供してる金持ちの遊び人がたくさんいたんです。
おじいちゃんは想像どおり、ビルのオーナーだったけど、生活の拠点は病院。
病気でもなんでもないんだけど、若いころからの知り合いの開業医に頼まれての偽装入院。
病院で衣食住のめんどうを見てもらって、病院は国から保険料を貰う、というカラクリだそうです。
おじいちゃんの自慢は、不正に取得した身体障害者手帳を持っていること。
詳しくは聞いてないんですが、どうやら色んな社会的サービスが無料だったり割引になるらしい。
「今は3級と軽度なヤツじゃが、近いうちに2級が取れる。いつか1級に挑戦する」
じじい、英検じゃないぞ。
チョロまかしたお金も、やがてギャンブルに消えて行く運命。 このビョーキだけは直りそうもありません。、
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2011年10月15日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/