
待ちのチンイツ赤のテンパイ。リーチ棒が2本あるので、これもまたツモったらトップまで駆け上がる。
結果は…
瀬戸熊からを出アガリ。トップとまではいかなかったものの、十分すぎるラス回避。
苦境に立たされても最後まであきらめず、読みを駆使しながら繊細に一打一打を選ぶことで逆転するチャンスを逃さない。これも、朝倉の原点である天鳳で培ったものだろう。
まさに天鳳が生んだスタープレイヤーだ。
魅力2 テンパイへの執念
朝倉本人のツイートにデータが載っていたのだが、朝倉は流局時テンパイ率が54%で、Mリーグの全選手の中で一番高いのだそうだ。ケイテンも含め、流局時にテンパイをとっている姿は確かに多いと感じるし、またテンパイできなかったときにもテンパイをとれる可能性をギリギリまで追っているシーンが印象的だ。
思い起こせば、10年前くらいには、ケイテンはもちろんのこと安いテンパイでも終局間際にリーチや仕掛けに無筋を切ると、流局時手を開けたときに「そんな手で勝負して…」と皮肉を言われることもあったものだ。
対局を通してだけでなく、自身の著作でも詳細にとりあげるなど、常々テンパイ料の重要性を説いてきた朝倉。
朝倉の影響もあるのだろう、Mリーグのコメント欄を見るにつけても、流局時のテンパイ料が大事だという意識は麻雀界の中で確実に広まってきているように感じる。
11月12日(月)1戦目
オーラスアガリトップの朝倉、

役牌のがトイツの絶好の配牌をもらう。
5巡目に、

親の寿人からが出てポン、
早くもイーシャンテンに。しかも、上家の亜樹はマンズのホンイツ模様。ピンズは切ってくれそうだ。
「チー」

狙い通り、すぐにが出てチーしてテンパイ。ピンズの無さそうな亜樹だけでなく、親の寿人も
を切っていることから、待ちは
にとった。
この時点では山に4枚。すぐにアガれるかと思っていたら…
ここにきて、ラス目の黒沢からリーチがかかる。
朝倉が一発で持ってきたのは…

だった。
黒沢の河は、

推理中…推理中…
ここは打とした。黒沢の河は、一段目に
と
が切ってあってリーチ宣言牌が
。
は本線の一つに見える。しかも、亜樹の1打目の
と足して
が河に2枚見えているので、
待ちに当たった場合は
が使われている可能性が高い。一発で
の使われているタンピン系の手に放銃するとハネマンの可能性もあるので、3着落ちのリスクを負うことにもなる。
また、黒沢がツモった場合、ライバルの寿人が親被りをするので朝倉のトップだ。
諸々考慮してここは安全策をとった。
次巡、

を引いて、打
。
一方の寿人は、

が両方浮いている形。朝倉が手の内から
と落としてきたので、手を崩した可能性もあるので、ここはメンツを崩して打
。
このまま、黒沢がツモるかどうかが焦点になる、と思われたその時、

なんとテンパり返した朝倉がを勝負。
が3枚見えになったこと。
での出アガリも期待できること。どのみち
しか安全牌がないこと。自分が危険牌を押すことで、テンパイを取る必要が出てきた寿人が放銃するのを誘うこと。などが理由だろう。
寿人と亜樹はメンツを崩してベタオリ。そして残りツモが減ってくる。

朝倉は通っていないも押していく。終盤なので流局時テンパイが見えてきた。寿人ノーテン、朝倉テンパイなら逆転トップだ。
そして、黒沢のリーチは…

待ちだった。朝倉は
ツモなら
と落としてテンパイを維持できる。
もまだ山にいる。朝倉がアガれば当然トップ。黒沢が
をツモっても朝倉のトップ。あと2巡このまま流局してもテンパイ料のやりとりで朝倉のトップ。朝倉は黒沢のアガり牌の
は吸収できる。
を押してテンパイを取った朝倉の勝ちだ。
そう、

を持ってこない限りは。

ゆがむ表情。
さすがにもうソウズを落として張り返せる巡目は残っていない。打。

黒沢のアガリだ。朝倉は2着でこの半荘を終えた。
悲しみがモニター越しにあふれてくる。