②ドラ表示牌としてが1枚見えている分、残り枚数で比べても大差ない。また、鳴き仕掛けを得意とする小林の捨て牌が(手出し)となっていて、寿人、魚谷に中が絞られてしまう可能性がある。1つの仕掛け、早い巡目ということでドラが他者から切られる可能性もまだ残っている。
滝沢は強気の打のドラ待ちを選択。今回もドラマチックにアガってしまうのだろうか?
この手牌の間チーから親番のロボ発進。
先に仕掛けを入れている滝沢に追いつくべく、を両面チーして、バックのテンパイだ。
ここで、まさかのアガれないほうのを引いてくるが、冷静にタンヤオへ移行。
自分のアガリ役を相手に絞らせないように、とといったタンヤオ牌で鳴いているのもこういった時に生きてくるのだろう。
最後は単騎待ちとなり、ラス牌のを滝沢から捉えて1500点のアガリ。
早々に満貫テンパイをいれていた滝沢を小林が逃がしはしなかった。たかが1500点アガリ、されど1500点のアガリ。
東3局1本場では、寿人が魚谷、小林2人に安牌のを宣言牌のリーチ。
この切りリーチは、イーシャンテン時に好形残りだったためにを安牌として引っ張っていた可能性が高く、ガラクタリーチではないだろうと読める。
この早いリーチには誰も向かえず、魔王3000-6000のアガリ。
東4局0本場でも、終盤に寿人がテンパイをいれ、おなじみのリーチ。しっかりと2000-4000に成就させる。
東2局で、滝沢に満貫放銃した寿人が徐々にギアを上げてくる。そして半荘の折り返し地点。
南1局0本場
東場では辛い展開の続いていた魚谷にようやく手が入る。イーぺーコーを完成させてペン待ちのリーチ。
チームのポイント状況としても、このリーチには気合いが入る。
リーチを受けた小林は、この手牌から現物を切らず、親番の魚谷に対して勝負の打。
がまだ山にありそう&受け入れ7種類のイーシャンテンでは戦ったほうが良いとみたか。
次巡でを持ってきて、現物の打とする。リーチの魚谷に1枚も切られていないソウズを抑えながら比較的安全なピンズを落としていく柔軟な一打だ。
マンズが小林に集まり、ここから親番の魚谷にを押し、ペン待ちテンパイ。
すぐさま小林がをツモり700-1300のアガリ。魚谷苦しい。
南2局0本場では、寿人が豪腕でラス牌のツモアガり、他者と点数を突き放していく。
南2局1本場でも、チートイツドラドラの魚谷に追っかけられながらも寿人が待ちをツモアガリ。
この破竹の勢いの魔王を見ていると、チームガラクタの決めポーズをしている寿人が脳裏をよぎった。
南2局2本場では、滝×寿対決はまだ終わってねえぞとばかりに滝沢がの満貫ツモアガリ。
南3局0本場では、三色同順の仕掛けをいれていたドラ3の寿人から親番の小林があっさりアガリ、3900点を稼いでいく。
南3局1本場
点数が一人離されてしまった魚谷。喉から手が出るほど満貫以上のアガリが欲しい。そして、点数が上の選手達になんとしても追いつきたいこの場面。
決死の覚悟で打南とし、数牌をいっぱいに広げてしまいそうになる状況で、この手牌から打。
この打牌の意図としては、
①寿人41600点、滝沢27600点、小林23300点と、点数状況的に早くアガって小林の親を流してしまいたい寿人、滝沢の捨て牌が、と役牌を持っている可能性が高く、を鳴かれてしまうと早アガリされてしまう。絞りの意味合いが大きい。
②高打点の種、チートイツがあるためトイツはほぐしにくく、裏目のを引いたとしても遠くに見える高打点の種、789の三色同順は捉えることができる。また、早めにを打っておくことで、ペン待ちが最後に残った際に出アガリ率が上昇する。
また、を残しを引いてできるの好形の4連形も、を引いてしまうとフリテンになってしまう。なにより4連形になったとしても高打点を狙うことができない。
点数状況に応じた冷静な判断を行っていき、次巡にを引き、トイツ手、789の三色同順をどちらも狙う打。
たった1巡の違いだが、その1巡の後先を読み合い、その1巡で大きく結果が変わってしまうのが麻雀だ。
赤アリルールだとあまり意識せずに数牌を内側に寄せていってしまいがちだが、狙える役は逃さない魚谷。
恵まれない状況に悲観せず、この半荘を泳ぎ切る体勢はできている。
ペン、ペンを引きいれ、最初から狙っていた打点十分の三色同順のリーチ。
理想の形まで泳ぎ着き、ペン待ちは山との勝負か。