を切るか、を切るかの選択だ。は1枚切れ。は初牌。
先制でリーチを打っている魚谷の河を鋭いまなざしで見つめる小林。
魚谷の河には、
でリーチとなっている。
皆さんはどちらを選ぶだろうか?
後のインタビューで小林は、
「リーチ(を宣言している魚谷)とめくり合うにあたり、が2枚見えでが通っていたのでの方が若干安全で、魚谷さんがを切っていて、が危ないかと思って、待ちの強さと安全度で単騎にしました」
と語っていた。
…というわけで、小林は打の単騎待ちの追っかけリーチをかけた。
打点が下がるこの選択には、解説の瀬戸熊も「おおぉ~!」と唸る。
先ほど取り上げた魚谷の早い切りが三色同順の副産物として、ロボ小林の計算を少し狂わせたのだ。
このリーチ合戦、魚谷、小林、どちらに軍配があがるのか、淡々とツモる4者。
宣言牌のを引いてしまうが、眉一つ動かさない小林。
解説の瀬戸熊「(この裏目のが)僕は夢に出てきますね」と笑っていた。
常人の私だったら、夢に出てくるどころか、5本の筒が頭に浮かんで夜も眠れないだろう。
しかし、小林はをツモり裏を乗せて、6000オールに仕上げる。
Pirates御用達のウラノールという薬を服用したに違いない。
ドーピングはMリーグ規定では大丈夫なのだろうか?
南3局2本場では、魚谷、寿人のリーチ対決を寿人が競り勝ち、魚谷から満貫を出アガる。
セガサミーフェニックスにとっては、辛い場面が多すぎる。しかし、魚谷はこんな辛い状況になったとしても決して諦めることはないだろう。先週の火曜日の魚谷の涙がそれを物語っている。この場を借りてエールを送りたい。
南4局0本場は、1着の寿人と2500点差の小林が2600点を出アガり、100点差で大海賊・小林が寿人から1着の座を奪い取った。
そして、滝×寿対決の勝者の王冠は、まさかの海賊サイボーグが持って行くこととなった。
1位:小林剛(Pirates)+65.2
3位:滝沢和典(風林火山)▲21.1
4位:魚谷侑未(フェニックス)▲69.2
今回は、第1試合の全局を紹介した。全局通して見ると、1着は、寿人、滝沢、小林、誰が取るか分からない展開が南場の後半から長く続いた中、他者と大きく離されてしまった魚谷はその分辛い展開が長く続いた。しかし、良い展開に恵まれない選手でも、見ている人の心揺さぶる打牌というのはあると私は思っている。
勝負の世界だから結果が求められるのはもちろんだが、結果にはつながらなかったが、素晴らしいと感じた打牌をこれからも紹介していこうと思う。