滝沢、たろう、白鳥、前原、絶妙な仕掛け手順&守備&粘りこみが織りなす卓上のスペクタクル!【熱論!Mリーグ/FS第7節】

熱論!Mリーグ【FS第7節】

滝沢、たろう、白鳥、前原、

絶妙な仕掛け手順&守備&

粘りこみが織りなす

卓上のスペクタクル!

文・masasio【FS第7節担当ライター】2019年3月9日

 

3月に入り、ふと日の長さを感じるようになった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

寒さは少し和らいできたものの、今度は新たな敵「花粉」の季節が到来だ。

12月、1月の頃はインフルエンザで対局に出られない―という選手も出てしまった。

花粉症で試合に出られない―

ということはないだろうが、集中力という意味ではかなり影響が出ると思われる。

選手の皆さんにとっては卓上だけではなく卓外の敵にも気を使わなければならないが、体調に気を付けていただきベストなパフォーマンスを見せていただきたいと思う。

それでは早速試合を見ていこう。

ファイナルシリーズ3日目第1試合の模様をお送りします。

ポイント状況はこちら

ドリブンズ風林火山のデッドヒート!

ファイナルシリーズは全て直接対決になるので、最後まで分からないのは間違いないが、

下位チームはこれ以上離されないようにしたいところだ。

組み合わせはこちら。

アベマズはレギュラーシーズンで個人最下位という結果に終わった白鳥翔を3連続で起用してきた。

2日目の第2試合では針の穴を通すようなトップを取った白鳥。

内容も上向いているとの判断か。

ファイナルシリーズに入って絶好調の鈴木たろうと、レギュラーシーズン2位の滝沢和典相手にどういう戦いを見せるかに注目したい。

試合は東1局から大きく動く

白鳥が4巡目にダブを暗刻に。

そしてここから打

役牌を重ねて、にくっつけてのアガリが理想の一つ。

丁寧に進める。

そして望外のをチー!

ここで切るのはだ。

一見不要なを切りたくなるが、上家のたろうはまで切っており、ピンズは使えないように見える。

にくっついたときにアガリやすくなるし、もしこのままテンパイして最後にを切るとどうしてもの周りが危険に見えてしまう。

そういう効果もあるだろう。

何気ないところだが実に白鳥らしいなと感じた。

さらにこのも・・・

当然のツモ切り

をポンして・・・

狙い通り切りテンパイ。

3巡前に2枚切れのを切ってまで残したは手牌の関連牌の可能性が高い。

トイツが濃厚だろうか(たろうのをポンしていないが、を仕掛ける前なので鳴いてなくてもおかしくはない)

となると待ちはソーズの可能性が高く見える。

実際に、仕掛けを受けたたろう

 

アガるだけならがポンされているのでタンキの方が良さそうだが、ソーズはかなり危険なためタンキにしている。

もっとも欲張りなたろうのことだ。「があるから」という素朴な理由かもしれないがやはり普通に見ればソーズが危険では完全に盲点になる。

果たして、嶺上牌をツモり忘れて少牌してしまいアガリ放棄だった前原雄大からが零れて12000。

アガリ放棄の人でも切ってしまう絶好の待ち。

実に繊細で狡猾な手順。

その髪型と同じく、実に芸術的なアガリとなった。

今日の白鳥はイケる!

続く東1局1本場、白鳥の手が止まる。

たろうにのリャンメンチーが入っている。

親でドラ1の手。

セオリー通りならを切ってリーチだろうが、白鳥は少考して打のダマを選択。

これは少し消極的な選択に感じた。

また、選択の是非は置いておいても、ツモで少考していたのが気になる。

普通は前もってどうするか考えておくものだが、何か気になることがあったのだろうか。

リーチをかけていれば簡単にアガれていた可能性が高いが、結局アガリを逃してしまった。

しかしながら滝沢の当たり牌を止めたのはさすが。

もしかしたらこれがいつもの白鳥のバランスなのかもしれない。

その白鳥にまずは滝沢が立ちはだかる

リーチをしている前原から8000(先ほど白鳥が止めたのはこの。さすがだ)

今度は3メンチャンをリーチ。

すぐにツモって1300/2600

これでトップ目に立つ。

白鳥はもう一押しが欲しい。

東4局

白鳥ポンテン

もう一押しにはちょっと足りないが、安くても局を進めにいく。

この手を1枚目からポンするかどうかはMリーガーの中でも分かれそうなところで興味深い。

ちなみにこの後、はチー、はポンするつもりだろう。

しかしこの局はラス目の前原の早いリーチにまっすぐ押して3900放銃。

これはやむなしか。

続く南1局、親の白鳥が先制リーチ。

待ちも打点も充分だ。

そこに前原も参戦する

 

そしてたろうもテンパイ

はリーチ者二人の現物だが3枚切れている。

打点重視のたろう。ここは当然?

 

をそっと縦に置いた。

いくらたろうといえども何でもかんでもリーチするわけではない。

これはが現物だからダマにした・・・わけではなく、

・リーチ棒を無駄にしたくない

・さらに危険な牌を引いたらオリれる

ということだ。

たろうの意外な一面を垣間見ることができた。

アガったのは・・・

 (なんだよツモるならリーチしとくわ・・・)

白鳥に大きな壁が立ちはだかった。

その後、白鳥がたろうに3900放銃し、迎えた南3局

今度はいつものたろうを見せてくれた。

をポンしたたろう。

手の内全てソーズで何を切る?

は自分でポンしていて白鳥が1枚切っている。

枚数で考えるなら切りだ。

以外のソーズでテンパイ。

もポンできる。(は2枚切れだが)

ひねれば切りもあるだろうか

に狙いを定めた一打だ。

しかしたろうは

 

!!

切りとの違いは、でテンパイするかでテンパイするかだ。

はドラなので普通はの受けを残したくなるが、自分で1枚使っている分、枚数的にもの受けの方が優秀だ。

さらに―

たろうの上家の滝沢

を切ってテンパイを取った。

鳴ける可能性がを切ってのと無筋でドラのでは全く違うのだ。

もちろん親でテンパイなのだからたろうが何を切っていてもが出た可能性はあるが、トップ目で固い滝沢のことだ、もしたろうがを切っていたら、を合わせた可能性も充分あるだろう。

考えれば考えるほどを切るのが良さそうに思えてくるが、実際に切れる人間が何人いるのだろう。

まさにゼウスの選択だ。

たろうはこのをチーして狙い通りのタンキでテンパイ。

は山に2枚残っている。

そこに役牌のを暗槓している前原がツモ切りリーチ!

  

3フーロのたろうの現物待ちでしかもマンガン。

ということでダマテンにしていたが、やはり点数が欲しいということでツモ切りリーチに打って出た。

先に聴牌を入れていた滝沢

もリーチには通ってないが、ここはを切ってダマで押した。

このを白鳥がポンして食らいつく。

そして次巡

を引いてギブアップ。

唯一の現物を抜いてオリた。

そもそも親とは言えドラも無い手。

相手は3万点以上離れたラス目のリーチ。

オリれるならオリたいのだ。

しかし現物はの1枚のみ。

目をつぶって勝負してもおかしくはない。

さらに白鳥もマンガンのテンパイを入れる。

 

 

を切ってタンヤオドラ赤赤のテンパイ。

苦しい手牌からさすがの粘りこみを見せた。

オリたい滝沢

 

一難去ってまた一難

手牌全て無筋である。

これは形的にを切るかと思われたが、

滝沢は切り!!

前原のリーチと白鳥の仕掛けにはが通っているのではない。

自分が3枚持っているのでシャンポン待ちもないし、単騎まちもかなり可能性は低い。

一方は特に白鳥にシャンポン待ちや単騎待ちの可能性が残っている(最後の手出しがのため)

のリャンメンには当たりうるが、それはのどちらを切っても一緒だ。

ワンチャンスのを切る手もあるだろうがやはり白鳥の切りが気になるのだろう。

理屈で考えればの方がいいなと分かるが、これもまた実戦で選ぶのは至難の業だ。

ふらっとを切って白鳥に8000放銃・・・なんて人もいるだろう。

この滝沢の好守備の結果アガったのは・・・

狙い通りの待ちでたろうが前原から12000

トップに返り咲いた。

たろうの仕掛け手順

前原の高打点のリーチ

滝沢の絶妙な守備

白鳥の粘りこみ

非常に見どころのある面白い局だったと思う。

試合を見ていない方はぜひこの局だけでもご覧いただきたいと思う。

このアガリでたろうがトップかと思われたが、オーラスは滝沢が美しい三色で締めて再逆転。

トータルポイントと同じくドリブンズと風林火山のデットヒートの末、風林火山滝沢がトップをもぎ取った。

アベマズ白鳥も見せ場を作ったが、東1局1本場の選択がどうだったか。

繊細な手順は素晴らしいので、もう一押しが出れば今後も期待できそうだ。

前原は東1局の少牌がすべて。

一晩寝て忘れましょう。

そしてたろう、滝沢は結果もさることながら途中の選択が素晴らしい。

あくまでこの一半荘だけの印象だが、ポイント差以上に差がついているかもしれないと感じてしまうくらいの圧倒的な内容だったと思う。

まだ17試合を残してはいるが、優勝争いはこの2チームに絞られたか?と気の早い予想をしていたのだが・・・・

 

当の本人は「まだまだゴールは先」と勝って兜の緒を締めている様子。

インタビュー中は少し目がしょぼしょぼしていたが、敵は花粉症だけといったところだろうか。充実の内容を今後も見せてくれそうだ。

このまま,桜のつぼみは春へと続いていくのか―

下位チームの復活にも期待したいと思う。

 

トップの座、頂戴します!強面特攻隊長・松本吉弘の実は“繊細”な取り立て劇場【熱論!Mリーグ/FS第8節】

masasio
天鳳8段、元雀荘のメンバー。ライター初挑戦のニューフェイス。Twitter→こちら 

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