Mリーグ2018
ベストオブ【佐々木寿人】
21人のMリーガー名場面集
文・アホ東大(院)生
Mリーグロスの皆さん、ごきげんよう。絶讃Mリーグロス中、何を楽しみに毎日を過ごせば分からない1麻雀ファンだ。
今回は3つの名場面とともに佐々木寿人という人間の生態に迫っていこうと思う。
まずは、皆さんの記憶に深く刻まれたであろうこの場面から。
《2018/10/26 第1試合 南1局 1本場》
配牌は1トイツに両面1つ、ペンチャン2つ。
1・9・字牌は8種。ここから寿人は、ペンチャン落としの打とし、大きく国士無双を狙っていく。
ここでまさかの村上も7種。両者は今後、偶然にも同じ役満、国士無双を狙っていく。
点数状況は、1位~4位までそれぞれ1万点以上ずつ離れていて、局数もまだ多く残っており、着順をまとめようとする早いアガリが生まれにくい状況も影響しているだろう。
寿人のターニングポイントは、4巡目。
マンズのホンイツもうっすらと見える手牌に仕上がってきているが、打。対面の村上がであり、孤立牌の役牌の重なりが期待できないからだろう。黙々と顔色一つ変えずに選択を一瞬で行う様は、まさしく(小林剛を差し置いて)麻雀ロボ。自身の選択への自信と日々の鍛錬の賜物だろう。この姿に視聴者は夢を抱く。
対する村上もを引きいれた時点で、トイツのを離し、寿人と同じ役満の破片を集める旅に出る。巡目が進むことに、寿人・村上、両者は一撃必殺のための牌をかき集めていく。
7巡目には松本は、フリテンになり得るを引いたが、ツモ切り。国士無双が2人いて引きが期待できないからだ。
14巡目には魚谷もこの手牌からスライドの打。
三色同順になりうるがどちらも場に切られており、三色は狙えない。また、と持っておくことで、後にを持ってきた際に、危険であるを打ち出す必要がなくなる。
松本、魚谷も2人の異様な気配は察知している。
巡目が前後するが、11巡目に寿人は、暗刻のを1枚手放す
同じ旅に出た村上に対しての先切りと親の魚谷への安全牌を最後まで持って行こうという考えだ。この選択も一瞬。
そしてついに長い旅を終え、1枚切れの待ちテンパイを果たし、JAPANESE侍、寿人は、一撃必殺の間合いに入り込んでいく…
松本がすぐさまを掴み、そのが寿人にたぐり寄せられる。まさかが最終手出しで国士無双テンパイだとは思わないだろう。
卓上のヒットマンからをヒット。32300点のホームラン級のアガリとなった。松本の辛そうな表情に対して、寿人は飄々としている。
常にクールな表情だが、寿人の目からは熱い気持ちが感じられる。
もちろんこの半荘は寿人が制し、Mリーグの初役満、寿人にとっての初トップの印象に残る半荘となった。
胆大心小。
大胆で、注意は細かく払う。それが佐々木寿人。
寿人と言ったら、やはり攻めの麻雀だ。
《2018/01/07 第1試合 東1局 0本場》
寿人の配牌はこちら。
お世辞にも良いとは言えない。マンズのホンイツも見ての打。
下家の茅森の配牌は数段上。
黒沢の配牌はさらに数段上。
亜樹の配牌も1メンツあり、まずまず。
配牌の格差に、解説の多井も「これは寿人と亜樹がピンチですねぇ~」ともらす。
だが、寿人はまっすぐまっすぐに手を組んでいき、5巡目にはこのイーシャンテン。
他家もぞくぞくと有効牌を引きいれていき、局の後半に、乱戦になる予感を醸し出す。
8巡目に一気通貫のタネになるを持ってくるが、即ツモ切り。