この手はどちらが来ようとも即リーチに行くため、少しでも安全度の高い1枚切れの
を保持。
自分で切っているもツモ切り。
は重なったら自分で使う攻守兼用の牌ということが分かる。しかし、後半に同じ1枚切れの
と入れ替える。茅森が序盤に
→
と切っているため、この1巡分、他家に
が重なっている可能性が高い。また、安全牌と思われる
をこの巡目に親が手出しすることで、手が進んでいない子にオリの選択肢を突きつけることが出来る。
「牌を横に曲げて、アガリ牌をツモり、勝つ」
この麻雀の基本にして究極の動作を行える可能性を極限にまで上げていくのが寿人のスタイル。
最初にテンパイを果たしたのは、黒沢。フリテンの待ち。

数巡後に亜樹が一気通貫のペン待ちリーチ。

リーチの亜樹がツモ切ったドラのに茅森がポン。間
待ちテンパイ。

そして三者テンパイに囲まれる寿人は、背水の陣でを引きいれ、
待ちのテンパイ。
もちろんを横に曲げ、
「役はリーチがあれば十分さ」
と言わんばかりのリーチ。

一発でをツモりあげ、一瞬で4000オールにしてしまう。繊細にして豪快。

寿人は攻めの姿勢はいっさい崩さず、自分を曲げずに貫く愚直な男だ。
「曲げるのは、リーチ宣言牌だけさ」
と脳内の寿人が言っている。
攻めの寿人と一緒にオリの寿人もぜひご堪能あれ。
《2018/11/12 第1試合 南1局 2本場》
寿人、どうにかテンパイにテンパイを重ねて迎えた2本場。供託2本。現状トップ目だが、捲られてしまう条件が複数あった。とにかく大きなアガリを決めて競っている朝倉を引き離したい局だ。
①亜樹の1300-2600以上のツモアガリ、もしくは直撃(3900点以上の場合、3着落ち)
②朝倉のアガリ(200点差)
③黒沢のツモアガリ(300-500は朝倉と順位点分け)、もしくは直撃
寿人の配牌は以下のようなもの。

ドラは1枚あるものの、なんともぱっとしない手牌。最初の一打は、まっすぐリーチ手順の打。
寿人を追従する朝倉は、をポンの打
。良形のイーシャンテン。

対抗する寿人もペンをすぐさまに、ずばっと引きいれて、
と
のくっつきのイーシャンテン。

朝倉は、この形からをカンチャンで鳴いて打
の
待ちテンパイ。

待ちに変える
引きもあったが、
が1枚切れ、
が3枚切れとあまり待ちが悪いため、
待ち続行。
寿人はを持ってきて打
。

ドラのが3枚切れていて、かつ
の受けいれが被っている分、孤立牌の
と
のどちらかを選択する人も多いだろう。しかし、朝倉の2副露が入っているため、朝倉に対しての受けの意識が強い。
朝倉の待ちテンパイに大食い女王・黒沢が同じ
待ちリーチでぶつける。

着順アップというよりは素点回復のリーチに思われるが、朝倉は、跳満放銃で着順2ダウン。
リーチの一発目に無筋のを持ってきて、朝倉、卓上を見渡して少考。黒沢は
と
を序盤に切っていての
切りリーチ。朝倉は、
待ちのテンパイを一度崩して、リーチの現物の
を
のメンツから抜く。

次巡に朝倉は、リーチ宣言牌の筋だが、第一打の、第三打の
から比較的安全な
を切り、河に
と並べる。

朝倉がノーテンであるなら、寿人もノーテンで伏せて流局。朝倉がテンパイであるなら、寿人もテンパイに持って行かなければならない。しかし、相手は、リーチをかけている黒沢もいる。寿人は、朝倉が受けている様子を見逃さない。1枚切れのを持ってきて、
を合わせていく。

粘り強いパイレーツ・朝倉は止めていたに
をくっつけて、
も重ねて
待ちで戦線復帰。ここで
を勝負。

黒沢に一発放銃でなければ、着順は変わらないケースが多い。
寿人は丁寧にここから降りていき最後は、朝倉がを筋で掴む。

寿人が明確にオリていて残り巡目がわずかということもあり、黒沢への放銃。