熱論!Mリーグ【Mon】
信じているファンにも届け…
魔法使い園田賢が唱えた
5つの冬夜のマジック
文・ゆうせー【月曜担当ライター】2020年1月27日
先週1月24日(金)、赤坂ドリブンズは、
村上淳と連勝リレー。反撃の狼煙を上げた。
依然として苦しい位置に居ながらも、望みを繋ぐドリブンズ。
迎えた本日1月27日(月)の1戦目。
直近の成績が悪かろうと、個人最下位になろうと関係ない。そんなことでチームの信頼は揺るがない。
バトンは、赤坂ドリブンズのエースに渡された。
「卓上の魔術師」園田賢。
1戦目
西家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
実況 小林未沙
解説 朝倉康心
魔法その1
見せつけカラーアプローチ
東1局から園田は積極的に魔法を唱える。
和久津が切ったこのを、
「ポン」
園田が仕掛けた!
ここはを打って、ホンイツ一直線。相手に「ホンイツやってますよー」とアピールするような河にしていく。満貫クラスの打点を見据えながら、他の人が少しでも戸惑ってくれたらしめたもの、という仕掛けだ。
昨年は気持ちいいくらいにビシバシ決まっていたこのアプローチだが、今年はやや成功率が落ちているように感じる。
その理由の一つは、「園田は遠めの仕掛けも多い」ということがデータとして対戦相手の頭に入ったからだろう。
となると、対策として、
「持っていても手が遅れてしまうからな」
前原はション牌の切り。
「親で絞っていられないわ!」
園田の上家、黒沢も打。
「重ねられないうちに、早く切らないと」
和久津もを切る。
こうなったらなったで、園田に早いホンイツが入ったときにもわりと簡単に鳴ける、という効果もある。が、やはり昨年と比べると他家への抑止効果が下がってしまった感はある。
これは、同じように仕掛けるたろうにも言えることで、このあたりが昨年と違ってドリブンズにとって逆風になっているように感じる。
そして、これは仮説になるのだが、今シーズン、ドリブンズが不調であるもう一つの原因は、「Mリーガー全体で門前高打点を狙う打ち手の割合が増えたため、園田やたろうの仕掛けが不利な状況に陥ることがしばしばある」からではないだろうか。
今シーズンからMリーガーになった顔ぶれを見ると、藤崎、和久津、内川、と特に日本プロ麻雀連盟に所属している選手に門前型の選手が多いように思う。また、魚谷のように門前寄りにスタイルを変えた選手もいる。
一般的には、門前の打ち手が多い中に仕掛けを多用する選手が入ると、速度面において有利となって仕掛ける選手が勝つことも多い。だが、仕掛けへの対応力が高いMリーグではそう簡単にはいかない。遠いと見られるとかぶせられ、テンパイが近いと読まれると甘い牌はなかなか出ないからだ。
そして、そうこうしているうちに追いつかれてリーチを受けてしまった場合には、仕掛けた側はオリ切れないために押し切りを図る、というケースも多くなる。めくりあいになったのなら、打点的にはリーチが有利なことが多いだろう。高打点を狙う選手が多いのなら、なおさらだ。仕掛けがアガってかわせたら大きいが、もしリーチに放銃したら大ダメージになってしまうだろう。
Mリーグ全体として、「門前で構えて守備力を保ちながら、攻めるときにはリーチで重いパンチを繰り出す」選手が有利なフィールドになりつつあるのではないだろうか。絶好調の近藤もこのスタイルだし、ドリブンズのなかで成績がプラスの村上もこの戦法だ。
もちろん、この傾向はまた変わり得るものだし、この局の園田の手はホンイツにいくのが打点的にも速度的にもベストだろう。そして、ドリブンズの不調の最大の原因は「苦しい手牌が多く、ツイていない」ことだと感じる。
ただ、周りの仕掛けへの対応力が上がったこと、そして、破壊力のあるカウンターを打ってくる選手の割合が増えたこと、この二つが前年度チャンピオンのドリブンズをここまで苦しめているように私は思う。
さて、この局は…
「リーチ」