西原理恵子 ＆ 山崎一夫 たぬ親方が進める一人親方という生き方

私は高校生の頃、鉄工所で働いていて、そこで職人が仕事がしやすいように自作していたjig（治具）を思い出しました。

「一人ではたいへんだけど、人を雇うのはもったいない」

そう考えての現場の創意工夫です。
たぬ神保町店は広くて、かつてはヒマな店でした。
そこで清掃一人親方とたぬ親方が相談。

●ヒマであまり床が汚れてないので、今月は一人で半分やって、来月残りをやる。
●店が忙しくなって汚れが増えたら、毎月一人で２日に分けて清掃する。
●急ぐ時は２人でやる。

こちらの経営状態に合わせて、作業頻度と経費を調整してくれました。
おかげ様で神保町店もお客さんが増えて、毎月掃除をお願いできるようになりました。

ところがですね、一年ほど前に税務署の急襲されて資金繰りが悪化した時は、神保町店だけでなく、他の店も再び清掃頻度の調整をお願いすることになってしまったのでした。

（文：山崎一夫／ｲﾗｽﾄ：西原理恵子■初出「近代麻雀」2013年4月1日号）

●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
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