789の三色を目指して、猛然と親リーチに立ち向かっていく。
そして追っかけリーチ!
その手の中身は…
なんと瑞原の現物、ドラのカン待ち!
これだけたろうが押しているため、ダマテンでも松本・勝又は切ってくれそうにない。
自身の点棒も少ないため、リーチで強引にツモりに行った。
「私の親リーチに歯向かうとは…なんて人なの!」
完全に臨戦態勢の瑞原。
「いや、だって満貫欲しいし」
対して欲の皮が突っ張っているたろう。
アガリ牌の枚数は瑞原が4枚、たろうが2枚。両者の思惑が交錯する。
持ってきたのは4枚目の。欲張りゼウス、すかさず暗槓。
新ドラがめくられ、嶺上牌に手を伸ばすと…
なんとそこには、薄かったはずのが!
欲を押し通し、確率を捻じ曲げたゼウスが女海賊を出し抜いた。
「まさか嶺上から当たり牌を掘り起こすなんて…油断ならない人ね」
不敵に微笑みつつも、その胸中では動揺が渦巻いていたのだろうか。
第3の荒波:愚形リーチにご用心!ヒットマン来襲!
衝撃的な親被りを喰らった直後の東4局。
瑞原の口が尖っている。
これは完全に「やってやる!」と意気込んでいる表情だ。
その手の中は、何と5巡目にしてテンパイ。
タンヤオを確定させ、カンで即リーチにいった。
「良い手替わりはしか無い。これで大丈夫!なはず…」
どこか不安そうに見えるのは気のせいだろうか。
衝撃的な親被りを喰らった動揺。
トップと2万点以上離されている焦り。
そして愚形でリーチすることへの不安。
そんな負の感情が隙となり、あの男がやってくる。
ビシィ!
バシン!
ドンッ!
ハッキリと聞こえてくる足音。
女海賊の首を狙って無筋を切り飛ばしてきたのは…
卓上のヒットマン・松本吉弘。
「よーし、ちょいと仕事しますかね…ターゲット・ロックオン」
無筋を5枚も押し通し、追っかけリーチ!
その手にはドラのが対子。
まるで渦潮のような追っかけリーチに対し、瑞原の次のツモはなんと。
リーチしていた瑞原は、ただツモ切るしかできなかった。
先制リーチはかけられるのに、追いかけられての失点が続いてしまう。
その後も3人に翻弄され、箱下のラスを引かされてしまった。